※この記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な解説です。引き継ぐ先や必要な書類は、止まっている手続きや提出先によって異なります。相続登記は司法書士、相続税は税理士、相続人の間の争いは弁護士、書類の扱いは各提出先にご確認ください。

相続の手続きを自分で進めてきたけれど、途中で先に進めなくなることがあります。それは、ここから先が専門家の業務になる段階に来た、ということでもあります。この記事では、専門家に引き継ぐときに、何を渡し、何を伝えればよいかを整理します。


目次

  1. ここから先は、専門家に任せてよい段階です
  2. 引き継ぐ先は、止まっている手続きで決まります
  3. 渡すと話が早いもの|集めた書類と、進んだところの記録
  4. 法定相続情報一覧図を申し出ていた場合
  5. 近い期限がある手続きを、先に伝える
  6. 引き継いだ後の戸籍の取り寄せと委任
  7. 行政書士・社会保険労務士に相談できること
妻を亡くして相続手続きを途中まで自分で進めてきた60代後半の男性が、ここまで進めた記録が引き継ぐときの手がかりになること、止まっている手続きによって引き継ぐ先が決まること、集めた書類と連絡先を伝えること、法定相続情報一覧図の申出人を伝えること、近い期限がある手続きを最初に確認することについて、行政書士から説明を受けている様子を描いたイラスト

ここから先は、専門家に任せてよい段階です

途中まで自分で進めてきたことは、引き継ぐときの大切な手がかりになります。どこまで進んだのかが分かれば、専門家はそこから先の段取りを考えやすくなります。

すべてを専門家に頼む必要はありません。自分で進める部分と、専門家に頼む部分の分け方は、相続手続きは自分でできる?専門家に頼むべき?の記事で整理しています。


引き継ぐ先は、止まっている手続きで決まります

どの専門家に引き継ぐかは、どの手続きで止まっているかによって変わります。

止まっている手続き引き継ぐ先根拠
相続登記の申請司法書士司法書士法3条
相続税の申告税理士税理士法2条
相続人の間の争い(交渉など)弁護士弁護士法72条
遺族年金・未支給年金の請求社会保険労務士社会保険労務士法2条
役所に出す書類や、遺産分割協議書などの書類の作成(他の法律で制限されるものを除く)行政書士行政書士法1条の3

司法書士に引き継ぐのは、相続登記の申請などの登記の手続きです。行政書士が作成する遺産分割協議書は、相続人の間で合意ができている内容を書面にするもので、争いのある事案は扱いません。相談の内容ごとの相談先は、相続の相談はどこにする?の記事で整理しています。


渡すと話が早いもの|集めた書類と、進んだところの記録

引き継ぐときは、次のようなものを渡すと、話が早く進みます。これは例で、決まった一覧があるわけではありません。

  • 集めた戸籍や書類
  • 書類を提出した先と、その日付
  • 金融機関に連絡済みかどうか
  • 届いた書類や通知

全国銀行協会は、金融機関に相続の連絡をすると、同時に、亡くなった方の口座での取引は原則として制限されると案内しています。どの金融機関に連絡したかは、必ず伝えてください。

集めた戸籍がそのまま使えるかどうかは、提出先ごとに確認が必要です。たとえば、法務局の法定相続情報の申出では、相続人の戸籍謄抄本は、被相続人が死亡した日以後の証明日のものが必要とされています。


法定相続情報一覧図を申し出ていた場合

自分で法定相続情報一覧図を申し出ていた場合、写しが追加で必要になったときは、再交付を受けることができます。法務局の案内では、再交付を申し出られるのは、当初の申出で申出人として氏名を記載した方です。一覧図は申出日の翌年から5年間保存され、その間であれば再交付を受けられます。再交付の申出は、当初の申出をした登記所で受け付けています。

⚠ 再交付を申し出られるのは、当初の申出人です
引き継ぐときは、誰が申出人になっているか、どの登記所に申し出たかを伝えてください。

一覧図の作り方は、法定相続情報一覧図の作り方の記事で説明しています。


近い期限がある手続きを、先に伝える

相続の手続きの中には、期限が決まっているものがあります。引き継ぐときは、どの期限が近いかを確かめて、最初に伝えるようにしましょう。期限がある手続きの一覧は、相続手続きが長引くのはどこ?の記事で整理しています。


引き継いだ後の戸籍の取り寄せと委任

戸籍法10条の2第3項は、行政書士などの資格者が、受任している事件又は事務に関する業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付を請求できると定めています。請求するときは、資格や業務の種類、依頼者などを明らかにする必要があります。引き継いだ後は、専門家が業務のために必要な戸籍を取り寄せられる場合があります。戸籍の集め方は、相続人調査の記事で説明しています。

また、手続きによっては、専門家に委任して代わりに進めてもらえるものがあります。たとえば、法定相続情報の申出は、親族のほか、行政書士や社会保険労務士などの資格者に依頼できると、法務局は案内しています。委任できる範囲や必要な書類は手続きごとに違うため、提出先に確認してください。


行政書士・社会保険労務士に相談できること

日本行政書士会連合会は、行政書士が遺産相続で引き受ける業務について、法的紛争段階にある事案や、税務・登記申請業務に関するものを除き、遺産分割協議書などの書類作成を中心に、その前提となる調査も含めて引き受けると案内しています。

当事務所では、引き継いだ後の戸籍の収集、法定相続情報の申出の代理、遺産分割協議書の作成、遺族年金・未支給年金の請求(社会保険労務士)などをお手伝いします。相続登記は司法書士、相続税は税理士、相続人の間の争いは弁護士への相談をご案内します。

相談の前にまとめておくことは相続の相談前に何をまとめる?の記事、見積書の見方は相続手続きの見積書はどこを見る?の記事、無料相談の使い方は相続の無料相談はどう使う?の記事で説明しています。


まとめ

途中まで自分で進めたことは、引き継ぐときの手がかりになります。

  • 引き継ぐ先は、止まっている手続きによって決まる
  • 集めた書類と、どこに連絡・提出したかの記録を渡す
  • 一覧図を申し出ていた場合は、誰が申し出たかと登記所を伝える。急ぐ手続きがあれば最初に伝える

自分で進めてきた記録は、専門家に引き継ぐときの大切な資料になります。どこまで進んだかを整理して、次の段階へつなげていきましょう。

相続のお手続きでお困りの方へ

うりずん相続手続き相談室では、どこまで進んだかを整理して専門家に引き継ぎたいという段階から、戸籍の収集による相続人調査、財産調査、遺産分割協議書の作成、銀行口座の解約手続きのサポート、遺族年金・未支給年金の請求支援など、行政書士・社会保険労務士として対応できる手続きを中心にお手伝いしています。相続登記や相続税申告、紛争対応が必要な場合には、提携する司法書士・税理士・弁護士と連携し、必要な専門家へ適切におつなぎします。市区町村や年金事務所での手続きに不安をお持ちの方も、どうぞ安心してご相談ください。

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