
※この記事は2026年10月時点の情報に基づく一般的な解説です。休眠預金等の扱いや引き出しの手続きは、金融機関によって異なる部分があります。引き出しの手続きは取引のあった金融機関、制度については金融庁や預金保険機構の案内をご確認ください。
親が亡くなった後、長い間お金の出し入れがなかった口座が見つかることがあります。「休眠預金になって、もう引き出せないのでは」と不安になる方もいると思います。休眠預金は、名義人が亡くなったことによる口座の凍結とは別のもので、凍結については銀行口座が凍結された時の対処法の記事で説明しています。この記事では、休眠預金とは何か、相続人が金融機関所定の手続きで引き出すときの流れを、金融庁と預金保険機構の案内に沿って整理します。口座の探し方は、相続財産の調べ方の記事で説明しています。
目次
- 凍結と休眠預金は、原因が別のもの
- 休眠預金等とは
- 休眠預金等になった後も、引き出せる
- 亡くなった方の口座から引き出す手続き
- 行政書士に相談できること
凍結と休眠預金は、原因が別のもの
凍結と休眠預金は、原因が別のものです。
| 項目 | 口座の凍結 | 休眠預金等 |
|---|---|---|
| 原因 | 金融機関が名義人の死亡を知ったこと | 長い間、取引がないこと |
凍結されたときの手続きは、銀行口座が凍結された時の対処法の記事で説明しています。長期間取引がない口座でも、名義人が亡くなっている場合は相続の手続きが必要です。
亡くなった方の預金が遺産分割の対象になる法律上の理由は、親の預金は遺産分割が終わるまで動かせないの記事で説明しています。
休眠預金等とは
休眠預金等活用法は、「休眠預金等」を、最終異動日等から10年を経過した預金等と定めています。金融庁は、対象について「2009年1月1日以降のお取引から10年以上」と案内しています。
「10年」は、亡くなった日からではなく、法律上の「最終異動日等」から数えます。最終異動日等は、最後に異動があった日や、金融機関が一定の通知を発した日など、法律が定める日のうち最も遅い日です。起算点は、取引のあった金融機関に確認してください。
金融庁によると、普通預金だけでなく、定期預金、貯金、定期積金なども対象になります。一方で、財形住宅や財形年金など特定の目的のための預貯金、障がい者のためのマル優の適用となっている預貯金、外貨預金など、預金保険制度の対象とならない預金などは対象外です。また、金融庁によると、2007年10月1日(郵政民営化)より前に郵便局に預けられた定期性の郵便貯金は、休眠預金等になりうる「預金等」には該当しません。この貯金の取扱いは、別途確認してください。
金融庁のQ&Aは、2009年1月より前に最後の異動があった預金等は本制度の対象外としたうえで、こうした預金等についても、通常、金融機関は引き出しに応じているとしています。具体的な取り扱いは、取引のあった金融機関に確認してください。
休眠預金等になった後も、引き出せる
金融庁は、「休眠預金等となった後も、引き続き、お取引のあった金融機関で引き出すことが可能です。」と案内しています。預金保険機構も、預金保険機構へ移管された後も、休眠預金等活用法第7条に基づき、引き続き取引のあった金融機関で引き出しができると案内しています。
金融庁のQ&Aは、この制度で移管された休眠預金等を引き出す期限について、「期限はありません。いつでも引き出すことができます。」としています。
金融庁によると、現金での受け取りになるのか、元の口座を引き続き使えるのかは、金融機関ごとに異なります。相続の場合の受け取り方は、金融機関所定の手続きと併せて確認してください。
相続の手続きを長く進めていない場合の全体像は、親が亡くなってから相続手続きを何もしていないの記事で説明しています。
⚠ 休眠預金等になった後も、引き出すことができます
休眠預金等になった後も、取引のあった金融機関で引き出すことができます。受け取り方は、取引のあった金融機関に確認してください。
亡くなった方の口座から引き出す手続き
金融庁は、預金者等であった方が亡くなった場合には、金融機関所定の手続きを経て、その相続人が引き出すことができるとしています。必要な手続きは、取引のあった金融機関に問い合わせるよう案内しています。
預金保険機構は、休眠預金等の有無や引き出しの手続きなどの情報の提供は、休眠預金等活用法第6条に基づき、取引のあった金融機関が対応するとしています。
金融庁は、金融機関によって異なるとしたうえで、一般的には、長い間取引がない預金等の引き出しには時間がかかることや、ATMではなく窓口などで手続きをする必要があることが想定されるとしています。
必要な書類や手数料、かかる日数は、取引のあった金融機関に確認してください。
行政書士に相談できること
日本行政書士会連合会は、行政書士が遺産相続で引き受ける業務について、法的紛争段階にある事案や、税務・登記申請業務に関するものを除き、遺産分割協議書などの書類作成を中心に、その前提となる調査も含めて引き受けると案内しています。
当事務所では、相続人を確かめるための戸籍の収集など、金融機関所定の手続きに必要な書類の準備をお手伝いします。相続人の間で争いがある場合は弁護士、相続税は税理士への相談をご案内します。
まとめ
長い間動いていなかった口座でも、まず取引のあった金融機関に確認しましょう。
- 凍結と休眠預金は原因が別。休眠預金等は、法律上の最終異動日等から10年を経過した預金等
- 休眠預金等になった後も、取引のあった金融機関で引き出すことができる。金融庁は、この制度で移管された休眠預金等を引き出す期限はないとしている
- 相続人は金融機関所定の手続きで引き出す。必要な書類は取引のあった金融機関に確認する
口座の状態が分かれば、相続の手続きの中で落ち着いて進められます。
相続のお手続きでお困りの方へ
うりずん相続手続き相談室では、亡くなった親の口座が長い間動いていなかったと分かり、引き出せるのか不安という段階から、戸籍の収集による相続人調査、財産調査、遺産分割協議書の作成、銀行口座の解約手続きのサポート、遺族年金・未支給年金の請求支援など、行政書士・社会保険労務士として対応できる手続きを中心にお手伝いしています。相続登記や相続税申告、紛争対応が必要な場合には、提携する司法書士・税理士・弁護士と連携し、必要な専門家へ適切におつなぎします。市区町村や年金事務所での手続きに不安をお持ちの方も、どうぞ安心してご相談ください。
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