相続手続きの基礎

親の貸金庫に何が入っているか分からない|銀行へ連絡する前の準備

掲載:Officeうりずん社会保険労務士・行政書士事務所 代表・資格情報

相談室で60代後半の男性が手のひらに載せた小さな鍵を見つめ、行政書士がそばで穏やかに話しかけているイラスト

※この記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な解説です。貸金庫の手続きや必要な書類は、金融機関や相続の状況によって異なります。貸金庫の手続きは契約先の金融機関、事実実験公正証書は公証役場、相続放棄や争いは弁護士にご確認ください。

親が銀行の貸金庫を使っていたらしいけれど、何が入っているか分からないことがあります。開扉の手続きに進む前に、準備しておけることがあります。この記事では、銀行へ連絡する前の準備を整理します。開扉の要件そのものは、遺言書の確認方法の記事で説明しています。


目次

  1. 貸金庫の手掛かりを、手元で確かめる
  2. 必要な書類を確かめる
  3. 相続人の間で連絡を取り、店舗に確認する
  4. 事実実験公正証書という記録の方法
  5. 開扉のときの記録と、遺言書が見つかったら
  6. 行政書士に相談できること
母の遺品から鍵が見つかった60代後半の男性が、鍵やカード、通帳の引落しは契約の手掛かりであること、契約があるかどうかは銀行に確認すること、必要な書類は銀行によって違うこと、来店や立会いが必要な人と日程は店舗に確認すること、相続放棄を考えているなら開扉の前に確認することについて、行政書士から説明を受けている様子を描いたイラスト

貸金庫の手掛かりを、手元で確かめる

まず、手元に貸金庫の鍵やカードがないかを確かめます。金融機関の相続手続きの案内でも、提出するものや持ち物の例として、貸金庫の鍵やカードが挙げられています。あわせて、通帳に貸金庫の利用料の引落しがないかも見ておきましょう。

鍵やカード、利用料の引落しは、契約の手掛かりです。契約があるかどうかは、取引のある金融機関に確認してください。財産全体の探し方は、相続財産の調べ方の記事で説明しています。


必要な書類を確かめる

相続の手続きでは、亡くなった方と相続人の関係を示す書類(戸籍謄本など)が求められます。どのような書類の例があるかを確かめたうえで、貸金庫についての必要書類は、契約先の金融機関に聞いてください。

例えば三菱UFJ銀行は、法務局の認証文付きの「法定相続情報一覧図の写し」の原本を提出する場合、戸籍謄本の同行あての提出は原則不要と案内しています。一覧図の作り方は、法定相続情報一覧図の作り方の記事で説明しています。

必要な書類や手続きは、金融機関によって違います。


相続人の間で連絡を取り、店舗に確認する

例えばみずほ銀行は、「貸金庫の開扉・解約には原則として相続人全員の同意が必要です」と案内しています。扱いは金融機関によって違います。

相続人の間で連絡を取り、来店が必要な人や立会いが必要な人、日程を、契約先の店舗に確認してください。来店には事前の予約が必要な場合もあります。


事実実験公正証書という記録の方法

日本公証人連合会は、公証人が直接体験した事実に基づいて作る「事実実験公正証書」の例として、相続人から嘱託を受け、相続財産の把握のために被相続人名義の銀行の貸金庫を開披し、その内容物を点検・確認する場合を挙げています。

内容物を確認した事実を記録する方法の一つとして、このような制度があります。事実実験の方法は、嘱託する公証人と事前に打合せます。くわしくは、公証役場に確認してください。


開扉のときの記録と、遺言書が見つかったら

開扉のときは、内容物を一覧にして残すなどして、何が入っていたかを記録しておきましょう。写真撮影の可否は店舗に確認し、認められる範囲で記録します。記録を相続人の間で共有しておくと、後の手続きで確かめやすくなります。

遺言書が見つかったら、どの種類の遺言書かを確かめてください。遺言書の種類によって、家庭裁判所の検認が必要なものとそうでないものがあります。封印のある遺言書は自分たちで開封せず、家庭裁判所での扱いを確認してください。検認が必要なものの扱いは、遺言書の確認方法の記事で説明しています。

⚠ 相続放棄を考えている場合は、開扉の前に確認してください
実家の片づけは何から始める?と相続放棄の期限と手続きの記事を確認し、判断に迷うときは弁護士に相談してください。


行政書士に相談できること

日本行政書士会連合会は、行政書士が遺産相続で引き受ける業務について、法的紛争段階にある事案や、税務・登記申請業務に関するものを除き、遺産分割協議書などの書類作成を中心に、その前提となる調査も含めて引き受けると案内しています。

当事務所では、相続人の確定のための戸籍の収集や、書類の準備をお手伝いします。相続人の間で話がまとまらない場合や争いは弁護士、事実実験公正証書は公証役場、相続税は税理士への相談をご案内します。


まとめ

貸金庫は、銀行へ連絡する前に準備しておくと、手続きを進めやすくなります。

  • 手元の鍵・カード・利用料の引落しは契約の手掛かり。契約の有無は金融機関に確認する
  • 必要な書類と、来店や立会いが必要な人・日程は、契約先の店舗に確認する
  • 相続放棄を考えているときは、開扉の前に相続放棄の期限と手続きなどを確認する

貸金庫の手続きは、準備が整っていると落ち着いて進められます。手元の手掛かりを確かめるところから始めましょう。

相続のお手続きでお困りの方へ

うりずん相続手続き相談室では、貸金庫の鍵が見つかり、銀行に連絡する前に何を用意すればよいか確かめたいという段階から、戸籍の収集による相続人調査、財産調査、遺産分割協議書の作成、銀行口座の解約手続きのサポート、遺族年金・未支給年金の請求支援など、行政書士・社会保険労務士として対応できる手続きを中心にお手伝いしています。相続登記や相続税申告、紛争対応が必要な場合には、提携する司法書士・税理士・弁護士と連携し、必要な専門家へ適切におつなぎします。市区町村や年金事務所での手続きに不安をお持ちの方も、どうぞ安心してご相談ください。

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