※この記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な解説です。協議書の記載の確かめ方や直し方は、提出先や手続きの内容によって異なります。登記の手続きは法務局や司法書士、預金の手続きはお取引金融機関、協議書の内容をめぐる争いは弁護士にご確認ください。
遺産分割協議書を書き上げた後に、住所や財産の表示が合っているのか不安になることがあります。何と照らし合わせて、誰に確かめればよいかを知っておくと、提出の前後であわてずに済みます。この記事では、協議書の記載を確かめるポイントを、提出の前と後に分けて整理します。
目次
- 不動産の表示は、登記事項証明書と照らし合わせる
- 住所・氏名と、署名・実印の照合
- 預金の書き方で、金融機関が判断できない場合
- 提出した後に誤りが見つかったら
- 直し方は、提出先に確かめる
- 行政書士に相談できること
不動産の表示は、登記事項証明書と照らし合わせる
法務局は、登記申請書に書く不動産の表示について、納税通知書の表示と登記上の表示は一致しない場合があるため、登記事項証明書を取得して確認するよう案内しています。協議書の不動産の表示も、登記事項証明書と照らし合わせて確かめておくと安心です。
法務局の案内では、遺産分割協議書には、相続財産の具体的な内容を記載するとされています。財産の書き方の詳細は、遺産分割協議書の書き方と雛形の記事で説明しています。
住所・氏名と、署名・実印の照合
法務局の案内では、協議書には相続人全員の名前と住所を記載するとされています。
全国銀行協会の案内では、協議書には相続人全員が署名し、実印を押します。金融機関は、協議書の署名と実印を相続人全員の印鑑証明書で照合します。確認できない点がある場合は、その相続人の同意・承諾を改めて確認されることがあります。
また、亡くなった方の登記上の住所が、亡くなったときの住所と違う場合には、住所が移ったことが分かる書面(住民票や戸籍の附票の写し)が登記の手続きで必要になると、法務局は案内しています。
登記申請に添付する協議書の印鑑証明書には、作成後3か月以内といった制約はありません。金融機関での扱いは、提出先に確認してください。
預金の書き方で、金融機関が判断できない場合
全国銀行協会は、協議書の預金の書き方によっては、金融機関が判断できない場合があると案内しています。例えば、次のような書き方です。
- 「不動産は甲が、動産は乙が取得する」としか書いていない場合。預金は「債権」で、不動産でも動産でもないため、預金が分割の対象か判断できません
- 預金の承継に条件を付けている場合。条件が満たされたかどうかを、銀行では確認できません
- ある時点の預金残高をもとに承継する金額を書いていて、遺産分割協議の成立までに残高が変動していた場合。その過不足が協議にどう影響するかを判断できません
表示が合っていても、書き方があいまいだと手続きが止まることがあります。預金の書き方が気になるときは、提出する前にお取引金融機関に確認してください。
提出した後に誤りが見つかったら
登記の書類の審査は、申請の後に行われます。法務局の案内では、提出した登記申請書の内容に誤りがあった場合や、提出書類に不足があった場合には、担当者から連絡があるとされています。補正できる内容であれば、担当者の案内に従って対応します。登記完了後は、申請を取り下げることはできません。補正の進め方は、司法書士に相談してください。
また、法務局の案内によると、協議書に記載されている不動産が登記申請から漏れていた場合は、同じ協議書を印鑑証明書とともに再度添付して申請して差し支えないとされています。
⚠ 協議書に記載されている不動産の登記漏れと、後から見つかった財産は、扱いが違います
ここで扱うのは、協議書に記載されている不動産が登記申請から漏れていた場合です。協議が終わった後に別の財産が見つかった場合の扱いは、別の記事で整理します。
金融機関から協議書の記載について指摘を受けた場合の確かめ方は、銀行から相続書類の不足を指摘されたらの記事で説明しています。
直し方は、提出先に確かめる
協議書を作り直すか、一部を直すかは、提出先に確認してください。訂正印や捨印で直せるかどうかは、提出先(法務局・金融機関)に確認してください。
法務局では、協議書の作成についての相談には応じていないと案内されています。登記の手続きの相談は、司法書士にしてください。
行政書士に相談できること
日本行政書士会連合会は、行政書士が遺産相続で引き受ける業務について、法的紛争段階にある事案や、税務・登記申請業務に関するものを除き、遺産分割協議書などの書類作成を中心に、その前提となる調査も含めて引き受けると案内しています。
当事務所では、相続人の間で合意ができている内容にもとづく遺産分割協議書の作成と、記載を確かめるための書類の準備をお手伝いします。登記の手続きは司法書士、協議書の内容をめぐる争いは弁護士への相談をご案内します。
まとめ
協議書の記載は、何と照らし合わせるかを知っておくと確かめやすくなります。
- 不動産は登記事項証明書、署名と実印は印鑑証明書と照らし合わせる
- 預金は、書き方があいまいでも金融機関が判断できないことがある
- 直し方は、提出先に確かめる
協議書は、提出する前に一度確かめておくだけで、後の手間を減らせます。気になる点は、提出先に早めに確認しましょう。
相続のお手続きでお困りの方へ
うりずん相続手続き相談室では、提出する前に協議書の記載を確かめ直したいという段階から、戸籍の収集による相続人調査、財産調査、遺産分割協議書の作成、銀行口座の解約手続きのサポート、遺族年金・未支給年金の請求支援など、行政書士・社会保険労務士として対応できる手続きを中心にお手伝いしています。相続登記や相続税申告、紛争対応が必要な場合には、提携する司法書士・税理士・弁護士と連携し、必要な専門家へ適切におつなぎします。市区町村や年金事務所での手続きに不安をお持ちの方も、どうぞ安心してご相談ください。
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