※この記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な解説です。郵送や代理でできるかどうかは、手続きや請求先によって異なります。郵送や委任状の扱いは各請求先、相続放棄の申述は家庭裁判所、預金の手続きはお取引金融機関にご確認ください。

親が遠方に住んでいたり、平日に休みを取りにくかったりすると、相続の手続きのたびに窓口へ行くのは難しいものです。窓口に行かずに進められるかどうかは、手続きごとに違います。この記事では、郵送や委任、専門家への依頼で進める方法を、手続きごとに整理します。


目次

  1. 窓口に行かずに済むかは、手続きごとに違います
  2. 法定相続情報一覧図の申出は、選んだ登記所へ郵送できる
  3. 相続放棄の受理証明書は、郵送で申請できる
  4. 遺族年金・未支給年金は、郵送で提出できる
  5. 金融機関の手続きは、お取引金融機関に確認する
  6. 専門家に頼むときに知っておきたいこと
  7. 行政書士・社会保険労務士に相談できること
遠方の実家で親を亡くし平日に休みを取りにくい40代後半の会社員の男性が、窓口に行かずに済むかは手続きごとに違うこと、委任状で代理を頼めるかどうかも請求先によって違うこと、法定相続情報一覧図の申出や遺族年金の請求書は郵送できること、銀行の手続きは取引先の金融機関に確認することについて、行政書士から説明を受けている様子を描いたイラスト

窓口に行かずに済むかは、手続きごとに違います

たとえば戸籍は、市区町村の窓口や郵送での請求であれば、委任状があれば代理人でも請求できると横浜市は案内しています。一方で、本籍地以外の窓口でまとめて請求できる戸籍の広域交付は、郵送や代理人による請求はできないと法務省は案内しています。同じ戸籍でも、請求の方法によって扱いが違います。戸籍の集め方は、相続人調査の記事で説明しています。

⚠ 委任状があれば、どの手続きでも任せられるわけではありません
委任状が必要かどうかや、代理でできる範囲は、手続きごとに違います。請求先に確認してください。


法定相続情報一覧図の申出は、選んだ登記所へ郵送できる

法務局の案内によると、法定相続情報一覧図の申出は、次のいずれかを管轄する登記所から選べます。

  • 被相続人の本籍地
  • 被相続人の最後の住所地
  • 申出人の住所地
  • 被相続人名義の不動産の所在地

申出も、一覧図の写しの受け取りも、郵送でできます。郵送で受け取る場合は、その旨を申出書に書き、返信用の封筒と郵便切手を同封します。一覧図の作り方は、法定相続情報一覧図の作り方の記事で説明しています。


相続放棄の受理証明書は、郵送で申請できる

相続放棄が受理されたことを示す相続放棄申述受理証明書は、受理をした家庭裁判所に申請します。裁判所の案内では、郵送で申請する場合は、返信用の郵便切手を添えるとされています。

一方で、相続放棄の申述書を郵送で提出する場合の方法や必要書類は、申述先の家庭裁判所に確認してください。期限がある手続きの一覧は、相続手続きが長引くのはどこ?の記事で整理しています。


遺族年金・未支給年金は、郵送で提出できる

日本年金機構は、窓口での相談が必要ない場合は、年金請求書を郵送で提出できると案内しています。年金事務所で相談したい場合は、予約相談を利用でき、インターネットで予約することもできます。

請求の流れは、遺族年金の請求手続き完全ガイドの記事で説明しています。


金融機関の手続きは、お取引金融機関に確認する

全国銀行協会の案内には、預金の相続手続きを郵送で進められるかどうかの記載はありません。郵送で進められるか、来店が必要かは、お取引金融機関に確認してください。口座の凍結から解約までの流れは、銀行口座が凍結された時の対処法の記事で説明しています。


専門家に頼むときに知っておきたいこと

戸籍法10条の2第3項は、行政書士などの資格者が、受任している事件又は事務に関する業務を遂行するために必要がある場合には、資格や業務の種類、依頼者などを明らかにして、戸籍謄本等の交付を請求できると定めています。専門家に依頼すれば、必要な戸籍を専門家が取り寄せられる場合があります。

また、法務局は、一覧図の申出を、親族のほか、行政書士や社会保険労務士などの資格者に依頼できると案内しています。委任できる範囲は手続きごとに違います。途中まで自分で進めた手続きを専門家に引き継ぐときは、相続手続きを途中まで進めたけれど限界の記事で整理しています。


行政書士・社会保険労務士に相談できること

遠方にお住まいの方からのご依頼でも、郵送やオンラインでのやり取りを組み合わせて、手続きを進めることができます。窓口での手続きが必要な場合は、その都度ご案内します。

  • 戸籍の収集による相続人の調査
  • 一覧図の申出の代理
  • 相続人の間で合意ができている内容にもとづく、遺産分割協議書の作成
  • 遺族年金・未支給年金の請求のサポート(社会保険労務士。請求の流れは遺族年金の請求手続き完全ガイドの記事で説明しています)

相続登記は司法書士、相続税の申告は税理士、相続人の間の争いは弁護士への相談をご案内します。


まとめ

遠方に住んでいても、平日に動けなくても、進め方はあります。

  • 窓口に行かずに済むかは、手続きごとに違う。委任状の扱いも請求先ごとに確認する
  • 一覧図の申出や相続放棄の受理証明書など、郵送で進められる手続きもある
  • 相続放棄の申述は家庭裁判所に確認し、預金の手続きはお取引金融機関に確認する

遠方でも、手続きごとに進め方を確かめれば、窓口に行く回数を減らせます。できるところから一つずつ進めていきましょう。

相続のお手続きでお困りの方へ

うりずん相続手続き相談室では、遠方に住んでいて窓口に行けない、平日に休みを取りにくいという段階から、戸籍の収集による相続人調査、財産調査、遺産分割協議書の作成、銀行口座の解約手続きのサポート、遺族年金・未支給年金の請求支援など、行政書士・社会保険労務士として対応できる手続きを中心にお手伝いしています。相続登記や相続税申告、紛争対応が必要な場合には、提携する司法書士・税理士・弁護士と連携し、必要な専門家へ適切におつなぎします。市区町村や年金事務所での手続きに不安をお持ちの方も、どうぞ安心してご相談ください。

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