相続・終活の法改正

戸籍のフリガナはどうなった?|届出の期間が終わったあとの確認と、変更したいときの手続き

掲載:Officeうりずん社会保険労務士・行政書士事務所 代表・資格情報

相談室で50代の女性が行政書士と向かい合い、親の戸籍に記載されるフリガナについて相談しているイラスト

※この記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な解説です。戸籍のフリガナについての説明は、法務省・川崎市・横浜市・裁判所・日本年金機構が2026年9月時点で公表している案内に基づくもので、個別の読み方が認められるかどうかを示すものではありません。フリガナの記載や変更の届出については本籍地または住所地の市区町村に、家庭裁判所への申立てについては弁護士または司法書士にご確認ください。

川崎市にお住まいの50代の方から、こんなご相談をいただきました。

「実家を片づけていたら、母宛ての『戸籍に記載される振り仮名』の通知が出てきました。届出の期限は、もう過ぎているようです。このままで大丈夫でしょうか。もし読み方が違っていたら、もう直せないのでしょうか」

戸籍に氏名のフリガナを記載する制度は、令和7年(2025年)5月26日に始まりました。フリガナの届出の期間は、令和8年(2026年)5月25日で終了しています。

このコラムでは、届出の期間が終わったあとにフリガナがどう記載されるのか、記載されたフリガナを変えたいときにどうすればよいのかを整理します。


目次

  1. 戸籍に氏名のフリガナが記載されるようになった
  2. 届出の期間は令和8年5月25日で終了した|届け出なかった場合
  3. 記載はいつ?|全国・川崎市・横浜市の予定
  4. 記載されたフリガナを変えたいとき
  5. 通知を装った詐欺に注意
  6. うりずんに相談できること
母宛てのフリガナの通知を見つけた娘が、届け出なかった場合は本籍地の市区町村長が記載することや、市区町村長が記載したフリガナは1回に限り届出だけで変えられること、手数料や罰金を求める連絡は詐欺であることについて、行政書士から説明を受けている様子を描いたイラスト

戸籍に氏名のフリガナが記載されるようになった

戸籍法の改正により、戸籍に記載する事項に「氏名の振り仮名」が加わりました。氏(名字)の読み方と、名(名前)の読み方の両方です。この改正は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和5年法律第48号)によるもので、令和7年5月26日に施行されました。

戸籍に記載するフリガナは、「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているもの」でなければならないとされています。法務省は、次のような読み方は認められないものと考えられる、と例を挙げています。

  • 漢字の意味や読み方との関連性をおよそ又は全く認めることができない読み方(例:太郎をジョージ、マイケル)
  • 漢字に対応する読みに、明らかに異なる別の単語を付け加えた読み方(例:健をケンイチロウ、ケンサマ)
  • 漢字の持つ意味とは反対の意味による読み方(例:高をヒクシ)
  • 別人と誤解されたり、読み違いと誤解されたりする読み方(例:太郎をジロウ)

届出の際にその読み方が認められるかは市区町村で確認され、戸籍に記載された後の変更で家庭裁判所の許可が必要な場合は、家庭裁判所が判断します。


届出の期間は令和8年5月25日で終了した|届け出なかった場合

制度が始まる前から戸籍に記載されていた方は、施行日から1年以内に限り、フリガナを届け出ることができました。この届出の期間は、令和8年5月25日で終了しています。

届出に先立ち、本籍地の市区町村長から、住民票上の住所宛てに、戸籍に記載される予定のフリガナが通知されました。

期間内に届出がなかった場合は、施行日から1年を経過した日(令和8年5月26日以降)に、本籍地の市区町村長が、管轄の法務局長等の許可を得て、フリガナを戸籍に記載します。通知の内容が正しければ、通知に記載されたフリガナが、そのまま戸籍に記載されます。

法務省は、届出をしなかったとしても、罰則や罰金はないと案内しています。この点は、相続登記の義務化とは?期限・過料・「実家が親名義のまま」の進め方で取り上げた、相続登記の義務とは性格が違います。

通知を見た記憶がない場合でも、手続きが漏れていると決めつける必要はありません。通知は住民票上の住所宛てに送られており、法務省は、海外に転居された方には通知を送付できないと案内しています。心当たりがない場合は、本籍地の市区町村に確認してください。

なお、法務省の特設ページは、本文が制度開始時の説明のまま残っていて、各ページの冒頭に「令和8年5月25日を持ちまして届出期間は終了しました」という告知が表示される構成になっています。公式ページを見るときは、まず冒頭の告知を確認してください。


記載はいつ?|全国・川崎市・横浜市の予定

令和8年5月26日以降に記載されるといっても、全国の戸籍に一斉に記載されるわけではありません。国のスケジュールでは、各本籍地の市区町村で、令和8年6月12日から令和9年5月12日(予定)にかけて、戸籍への記載作業が行われます。本籍地によっては、まだ記載されていないことがあります。

川崎市に本籍がある方は、区ごとに次の日程で記載する予定とされています(いずれも令和8年)。

区記載の予定
川崎区6月28日〜7月12日
幸区7月18日〜7月26日
中原区8月1日〜8月11日
高津区8月15日〜8月30日
多摩区9月5日〜9月19日
宮前区9月21日〜9月27日
麻生区10月3日〜10月11日

川崎市内に戸籍と住民票の両方がある方は、戸籍にフリガナが記載されると、その翌週に住民票にも記載される見込みとされています。

横浜市に本籍がある方は、令和8年8月から令和9年3月にかけて記載する予定とされています。

フリガナが記載された戸籍や住民票の証明書は、本籍地や住所地の市区町村で記載が行われるまで取得できません。ほかの市区町村の記載時期は、本籍地の市区町村に直接お問い合わせください。日程はいずれも予定なので、最新の情報は各市の案内でご確認ください。

年金を受け取っている方には、戸籍に記載されたフリガナが年金記録と異なる場合に、日本年金機構から「氏名変更のお知らせ」が届き、手続きが必要になる可能性があります。年金記録のフリガナと同じであれば、年金の手続きは原則として不要です。日本年金機構は、受取口座の名義と相違すると、一時的に年金の振込ができなくなることがあると案内しています。共済組合等の年金(基礎年金を除く)は、それぞれの窓口にお問い合わせください。


記載されたフリガナを変えたいとき

記載されたフリガナを変えたい場合の手続きは、フリガナがどのような経緯で記載されたかによって、2つに分かれます。

戸籍に記載された経緯変えるときの手続き
届出の期間内に届け出ず、本籍地の市区町村長が記載した1回に限り、家庭裁判所の許可を得ずに、届出だけで変更できる
届出の期間内に自分で届け出た、または制度開始後の出生届・帰化届などで記載された家庭裁判所の許可が必要

届け出ずに市区町村長が記載した場合は、1回に限り、家庭裁判所の許可を得ずに届出だけで変更することができます。この届出の期限は、法務省の案内には示されていません。取扱いは市区町村の窓口でご確認ください。氏のフリガナを変える届出は、配偶者がいるときは配偶者とともに行います。一般の読み方以外の読み方に変える場合は、その読み方を使っていることを示す書面(旅券や預金通帳など)が必要とされています。届出先は、変更する方の住民登録地または本籍地の市区町村の窓口です。

期間内に自分で届け出た場合などは、家庭裁判所の許可を得てから届け出ることになります。許可の要件は、氏と名で文言が違います。

  • 氏のフリガナ:やむを得ない事由があること。裁判所は、氏のフリガナを変更しないと、その人の社会生活において著しい支障を来す場合をいうとされています、と説明しています
  • 名のフリガナ:正当な事由があること。裁判所は、名のフリガナを変更しないと、その人の社会生活において支障を来す場合をいい、単なる個人的趣味、感情、信仰上の希望等のみでは足りないとされています、と説明しています

申立先は、申立人の住所地の家庭裁判所です。費用は、収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手です(郵便料は裁判所ごとに異なります)。氏のフリガナの申立ては、戸籍の筆頭者とその配偶者が行い、同じ戸籍にいる15歳以上の方の同意書が必要とされています。

裁判所は、届け出ずに市区町村長が記載した方について、家庭裁判所の許可なしで届け出られるかどうかは、市区町村役場に確認するよう案内しています。どちらに当たるか分からない場合は、まず本籍地の市区町村の窓口に確認してください。

川崎市に本籍がある方のお問い合わせ先は、川崎市戸籍振り仮名センター(電話044-276-8732、平日9時00分から17時00分まで。祝日・年末年始は除く)です。川崎市は、通知書に「管理番号(15桁の数字)」と書かれている部分について、管理番号は正しくは13桁の数字だと案内しています。


通知を装った詐欺に注意

法務省は、フリガナの制度について、次のように注意を呼びかけています。

  • 「届出には手数料がかかる」「届出をしないと罰金」等として金銭を要求するものは、全て詐欺である
  • 法務省から、外部サイトに誘導するメールを送信することはない。そのようなメールに記載されたURLにはアクセスしない

法務省は、届出に手数料は一切かからず、届出をしなかったとしても罰則や罰金はないと案内しています。また日本年金機構も、電話や訪問により、預貯金額や口座番号・口座名義などの個人情報を聞くことはないと注意を呼びかけています。

離れて暮らす親のもとに、フリガナを口実にした不審な電話や手紙が届いていないか、ご家族でも確認しておくとよいでしょう。


うりずんに相談できること

フリガナの変更の届出は、ご本人などの届出人が市区町村の窓口で行う手続きです。家庭裁判所への申立ての代理は弁護士、家庭裁判所に提出する申立書の作成は司法書士の業務です。届出の際にその読み方が認められるかは市区町村で確認され、戸籍に記載された後の変更で家庭裁判所の許可が必要な場合は、家庭裁判所が判断します。

一方で、相続の手続きでは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集める必要があります。当事務所では、相続手続きのご依頼をいただいた場合に、手続きに必要な戸籍の収集をお手伝いしています。戸籍の集め方は相続人調査で、古い戸籍の読み方は古い戸籍が読めないときで解説しています。

相続のお手続きでお困りの方へ

うりずん相続手続き相談室では、戸籍のフリガナの記載や変更で戸惑った方の確認の入口として、戸籍の収集による相続人調査、財産調査、遺産分割協議書の作成、銀行口座の解約手続きのサポート、遺族年金・未支給年金の請求支援など、行政書士・社会保険労務士として対応できる手続きを中心にお手伝いしています。相続登記や相続税申告、紛争対応が必要な場合には、提携する司法書士・税理士・弁護士と連携し、必要な専門家へ適切におつなぎします。市区町村や年金事務所での手続きに不安をお持ちの方も、どうぞ安心してご相談ください。

川崎・横浜エリアを中心に、初回のご相談は60分無料・土日祝もご予約可能・秘密厳守・お問い合わせには翌営業日までにご返信しています。お電話・LINE・お問い合わせフォームから、お気軽にご連絡ください。


まとめ

戸籍のフリガナについて、届出の期間が終わったいま押さえておきたい点は次のとおりです。

  • フリガナの届出の期間は、令和8年5月25日で終了した。届出をしなかったことへの罰則や罰金はない
  • 届出がなかった方の戸籍には、令和8年5月26日以降、本籍地の市区町村長が管轄の法務局長等の許可を得てフリガナを記載する。記載の作業は本籍地ごとに順次進められ、まだ記載されていないこともある
  • 市区町村長が記載したフリガナは、1回に限り、家庭裁判所の許可を得ずに届出だけで変更できる
  • 期間内に自分で届け出た場合などは、変更に家庭裁判所の許可が必要。要件は、氏は「やむを得ない事由」、名は「正当な事由」
  • 手数料や罰金を求める連絡は詐欺。どちらの手続きに当たるか分からないときは、本籍地の市区町村に確認する