年金手続き

親の年金の振込額が変わったとき|年金振込通知書の見方と確認すること

掲載:Officeうりずん社会保険労務士・行政書士事務所 代表・資格情報

相談室で50代の男性が社会保険労務士と向かい合い、母親あての年金振込通知書の見方について相談しているイラスト

※この記事は2026年11月時点の情報に基づく一般的な解説です。年金から差し引かれる保険料や税の額、通知書の名前や問い合わせ先は、お住まいの自治体や一人ひとりの状況によって異なります。年金振込通知書の内容はねんきんダイヤル・年金事務所、保険料や個人住民税・森林環境税の額は通知書に記載された自治体の窓口、所得税の個別の判断や申告は税務署または税理士にご確認ください。

親あてに届いた「年金振込通知書」を見たら、振込額が前より少なくなっている。親の年金が少なくなったのではないか、と不安になることがあります。

年金振込通知書は、振込額に変更がある方へ、その都度届く通知書です。振込額が変わる理由の一つは、年金から差し引かれる保険料や税の額が変わることにあります。この記事では、通知書の欄の見方と、どの欄が変わったかの確かめ方、ご家族が問い合わせるときの順番を整理します。個別の増減の理由や、受け取る額の見込みは扱いません。


目次

  1. 年金振込通知書と年金額改定通知書の違い
  2. 年金振込通知書の8つの欄
  3. 年金額が同じでも、振込額が変わることがある
  4. 「前回支払額」の欄と見比べる
  5. 家族が確かめるときの順番
  6. 亡くなった後には再交付されない通知書
  7. 社会保険労務士・行政書士に相談できること
母親あての年金振込通知書を見て振込額が減ったことに気づいた息子が、年金額が同じでも差し引かれる保険料や税の額で振込額が変わることがあること、前回支払額の欄と見比べて変わった欄を確かめること、保険料や住民税は市区町村の窓口に問い合わせること、二親等以内の家族は通知書の範囲で電話相談ができることについて、社会保険労務士から説明を受けている様子を描いたイラスト

年金振込通知書と年金額改定通知書の違い

日本年金機構によると、年金振込通知書は、口座振込で年金を受け取っている方に、6月から翌年4月まで2か月に1回支払われる金額を知らせるもので、毎年6月に送られます。振込額や受取金融機関に変更があったときは、その都度届きます。

振込額や振込口座に変更がなければ、その後の支払月には通知書は届きません。日本年金機構は、通知書が届かない月でも年金は支払われると案内しています。

年金について届く通知書には、似た名前のものがあります。よく見比べるのは、次の2つです。

年金額改定通知書年金振込通知書
知らせるもの改定後の年金額(1年分)各支払期の年金支払額・差し引かれる保険料や税・振込額
届くとき年度ごとに年金額が改定されたとき毎年6月と、振込額や受取金融機関が変わったとき
保険料・税の欄ないある

年金額改定通知書は年金の額を、年金振込通知書は口座に振り込まれる額を知らせます。振込額が減っていても、年金額そのものは変わっていないことがあります。

毎年6月には、2つの通知書が1枚のはがきにまとめて届く形もあります。また、2つ以上の年金を受けている方には、年金の種類ごとに封書で届きます。通知書が複数あるときは、それぞれの年金の種類を確かめてください。

通知書に書かれた金額は、振込予定日の時点での予定額です(日本年金機構の案内)。

なお、年金の支払いは、日本年金機構の案内では、偶数月の15日に前月までの2か月分が振り込まれます。15日が土日祝日のときは、その直前の平日です。支払いの仕組みは、「年金受給者が亡くなったときの手続き」の記事でも触れています。


年金振込通知書の8つの欄

日本年金機構の見本では、年金振込通知書には次の8つの欄があります。欄の名前は見本のとおりに載せています。

欄名称書かれていること
(1)年金支払額1回に支払われる年金額(差し引く前)
(2)介護保険料額年金から差し引かれる介護保険料
(3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)年金から差し引かれる後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)
(4)所得税額および復興特別所得税額年金から差し引かれる所得税・復興特別所得税
(5)個人住民税額および森林環境税額年金から差し引かれる個人住民税・森林環境税
(6)控除後振込額(1)から(2)〜(5)を差し引いた、振り込まれる金額
(7)振込先振り込まれる金融機関の支店名
(8)前回支払額前回の定期支払月に支払った額の内訳

つまり、(1)の年金支払額から、(2)から(5)の保険料や税を差し引いた残りが、(6)の控除後振込額です。

(3)の欄は、後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)が差し引かれるときに表示されます。ほかの欄も、手元の通知書にどの欄が表示されているかを確認してください。

日本年金機構は、(2)(3)(5)について、各支払期に差し引かれる額は変わることがあるので、市区町村から送られる通知書で確かめるよう案内しています。


年金額が同じでも、振込額が変わることがある

年金からは、介護保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、個人住民税・森林環境税が差し引かれることがあります。これらの保険料や税の額は、自治体から届く通知で確かめます。日本年金機構は、市区町村からの依頼に基づいて、これらを年金から差し引いています。

1年のうちには、差し引かれる額が変わりやすい時期があります。公式の案内で確かめられた理由は、次の2つです。

  • 介護保険料:日本年金機構によると、市区町村が決めたその年の介護保険料の額は、10月の支払分から差し引く額に反映される仕組みです。
  • 後期高齢者医療保険料・国民健康保険料・個人住民税:4月・6月・8月と、10月・12月・2月とで、差し引く額の決め方が違います。10月からは、その年度の額をもとにした額に切り替わります(横浜市・川崎市の案内)。

6月に届くはがきの通知書では、介護保険料、後期高齢者医療保険料または国民健康保険料(税)、個人住民税・森林環境税について、8月以降の額を予定額として6月の額で記載しています。決まった額は、市区町村から届く通知書で確かめるよう、日本年金機構は案内しています。

差し引かれる額が変わっても、それだけで負担が増えたとは限りません。川崎市は、個人住民税・森林環境税を年金から差し引くことは、納め方を変えるもので、新たな税負担が生じるものではないと説明しています。横浜市は、後期高齢者医療保険料について、各支払期の額の差を小さくするために、6月・8月の額を調整する場合があると説明しています。この調整で6月・8月の額が上がっても、10月以降の額が下がるため、調整によって年間の保険料額が変わることはありません。ただし、保険料そのものが年度によって変わることはあります。

反対に、振込額が増えることもあります。たとえば、年金からの差し引きが止まった場合です。このときは、納付書や口座振替で納める形に変わることがあるため、市区町村から届く通知を確かめてください。

所得税については、該当する控除がある方は、扶養親族等申告書を提出しているか確認しましょう。提出していないと、年金から差し引かれる所得税が多くなる場合があります(日本年金機構の案内)。

差し引かれる保険料や税の額は、住んでいる自治体や、一人ひとりの状況によって違います。通知書の名前も、市によって異なります。


「前回支払額」の欄と見比べる

通知書の「前回支払額」の欄は、今回の金額と前回の金額を比べて、振込額の増減を自分で確かめられるように設けられている、と日本年金機構は説明しています。

見比べる手順は、次のとおりです。

  1. 今回の「年金支払額」と、前回支払額の欄の年金支払額を比べる
  2. (2)から(5)の差し引かれる欄を1つずつ比べ、変わった欄に印をつける
  3. 変わった欄によって問い合わせ先が違うので、下の表で確かめる
変わった欄問い合わせ先(川崎市の場合)
(1)年金支払額・(7)振込先ねんきんダイヤル・年金事務所
(2)介護保険料額・(3)後期高齢者医療保険料、国民健康保険料(税)区役所の保険年金課
(4)所得税額および復興特別所得税額ねんきんダイヤル(通知書の所得税欄・扶養親族等申告書に関する確認)
(5)個人住民税額および森林環境税額お住まいの区を担当する市税事務所市民税課市民税係・市税分室市民税担当

保険料や住民税の欄が変わったときは、はじめから表の自治体の窓口に問い合わせます。「市役所に聞く」とひとまとめにせず、保険料と税で窓口が違うことに気をつけてください。横浜市では、後期高齢者医療保険料について、個人の情報の確認が必要な問い合わせは、お住まいの区の区役所保険年金課へ、と案内しています。

(4)の所得税について、個別の税務の判断や申告は、税務署または税理士にご相談ください。

ねんきんダイヤルの受付時間などは、日本年金機構の電話での年金相談窓口で確かめられます。川崎市内の年金事務所の場所は、「川崎で年金の手続きをするなら」の記事でまとめています。


家族が確かめるときの順番

親の通知書について、ご家族が確かめるときは、次の順番が現実的です。

  1. 親と一緒に通知書を見る:前の見出しの手順で、どの欄が変わったかを確かめます。
  2. ねんきんネットで見る:親がねんきんネットを使えるなら、手元に通知書がなくても画面で内容を確かめられます。利用には登録が必要です。
  3. 問い合わせ先を分ける:変わったのが保険料や住民税の欄なら、前の見出しの表の自治体の窓口に、はじめから直接問い合わせます。年金支払額や所得税の欄など、日本年金機構に聞くことは、次の4・5の方法で問い合わせます。
  4. 日本年金機構に電話で問い合わせる:二親等以内のご家族は、本人と問い合わせる家族の基礎年金番号を用意して、手元の通知書に記載された情報の範囲で電話相談ができます(日本年金機構の案内)。
  5. 年金事務所の窓口で問い合わせる:委任状と、代理で来た方の本人確認書類が必要です。本人の基礎年金番号は、年金額改定通知書などにも書かれています。

日本年金機構は、通知書が届いてから5日間ほどは電話がつながりにくくなると案内しています。夕方や、週の後半、月の後半はつながりやすい目安とされています。

委任状を用意できない事情があるときは、年金事務所に相談してください。

通知書をなくしたときは、最新の年金振込通知書であれば、ねんきんネット・電話(自動音声)・窓口で再交付を申し込めます。送り先は、日本年金機構に登録されている本人の住所です。別に住んでいるご家族の住所には送られません。本人以外が受け取るには、委任状などを持って年金事務所に行く必要があります。


亡くなった後には再交付されない通知書

日本年金機構によると、亡くなった方の年金振込通知書は再交付されません。年金額改定通知書は、亡くなった後も、未支給年金の請求者などには再交付されます。

後から振込額などを確かめられるよう、届いた年金振込通知書は保管しておきましょう。

年金を受けている方が亡くなったときの手続きは、「年金受給者が亡くなったときの手続き」の記事で説明しています。亡くなった後に届く医療費や介護費の通知については、「亡くなった親の医療費・介護費の通知が届いたら」の記事をご覧ください。この記事は、生きているうちに届く年金の通知を扱っています。亡くなった後の手続きの全体は、「親が亡くなったらやるべき10のこと【期限付き手続き完全リスト】」の記事でまとめています。


社会保険労務士・行政書士に相談できること

当事務所では、受け取っている年金の種類や振込口座の整理、通知書のどの欄をどの窓口に聞けばよいかの整理をお手伝いしています。年金に関する請求書類などの作成と提出は、社会保険労務士としてお手伝いします。

相続のお手続きでお困りの方へ

うりずん相続手続き相談室では、親あての年金の通知を見て、振込額の変わり方が気になった段階から、戸籍の収集による相続人調査、財産調査、遺産分割協議書の作成、銀行口座の解約手続きのサポート、遺族年金・未支給年金の請求支援など、行政書士・社会保険労務士として対応できる手続きを中心にお手伝いしています。相続登記や相続税申告、紛争対応が必要な場合には、提携する司法書士・税理士・弁護士と連携し、必要な専門家へ適切におつなぎします。市区町村や年金事務所での手続きに不安をお持ちの方も、どうぞ安心してご相談ください。

川崎・横浜エリアを中心に、初回のご相談は60分無料・土日祝もご予約可能・秘密厳守・お問い合わせには翌営業日までにご返信しています。お電話・LINE・お問い合わせフォームから、お気軽にご連絡ください。

保険料や個人住民税・森林環境税の額については、通知書に記載された自治体の窓口にご確認ください。所得税の個別の判断や申告は、税務署または税理士にご相談ください。


まとめ

  • 年金振込通知書には、年金支払額、差し引かれる保険料や税、振込額が載っています。年金額が同じでも、差し引かれる額が変われば、振込額は変わることがあります
  • 「前回支払額」の欄と見比べて、変わった欄を確かめましょう。保険料は区役所、住民税は市税事務所と、欄によって問い合わせ先が違います
  • 亡くなった方の年金振込通知書は再交付されないので、届いた通知書は保管しておきましょう