※この記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な解説です。照会できる人や対象になる契約は、照会の理由や契約の内容によって異なります。照会の手続きや利用料は生命保険協会の公式案内、契約の内容や請求は各生命保険会社にご確認ください。
親が生命保険に入っていたかどうか分からないときは、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」で、契約の有無を調べることができます。ただし、誰が照会できるか、どの契約が対象になるかには決まりがあります。この記事では、照会できる人と、対象になる契約を整理します。
目次
- 生命保険契約照会制度で分かること
- 照会できる人(亡くなった場合)
- 認知判断能力が低下した場合
- 対象になる契約・ならない契約
- 調べられるのは、生命保険協会の会員会社の契約
- 契約が見つかった後
- 申請の方法
- 行政書士・社会保険労務士に相談できること
生命保険契約照会制度で分かること
生命保険契約照会制度は、親族などが亡くなった場合や、判断する力が低下した場合に、生命保険契約の有無を調べられる制度です。亡くなったことを理由とする照会では、照会した人が死亡保険金の受取人になっている契約について、その旨も回答されます。
⚠ 分かるのは契約の有無で、保険金額や支払の可否は各社に確認します
契約の内容や請求の手続きは、各生命保険会社に問い合わせます。
保険証券や郵便物から手がかりを探す方法は、相続財産の調べ方の記事で説明しています。
照会できる人(亡くなった場合)
この制度では、調べる対象の人を「照会対象者」、調査を依頼する人を「照会者」、照会者のうち実際に手続きをする人を「照会代表者」といいます。
照会対象者が亡くなった場合に照会できるのは、次の人です。
- 照会対象者の法定相続人
- 照会対象者の遺言執行者
- 法定相続人の法定代理人(成年後見人や親権者など)
- 法定相続人または遺言執行者の任意代理人(弁護士、司法書士および行政書士に限ります)
税理士や相続財産清算人、破産管財人は、この照会の代理人にはなれません。これは照会の手続きについての決まりで、相続税の相談先としての税理士の役割とは別の話です。代理人になれる人の範囲は、制度によって違います。証券会社の口座を調べる開示請求の場合は、親が使っていた証券会社が分からないの記事で説明しています。
認知判断能力が低下した場合
照会対象者の認知判断能力が低下した場合にも、この制度を使えることがあります。その場合は、医師の診断書(制度用のもの)が必要です。診断書で「正常」にチェックがあると、制度は利用できません。また、緊急の資金の必要性があることが条件になります。
照会対象者に、生命保険契約に関する代理権を持つ法定代理人や任意代理人がいる場合は、その代理人以外はこの制度を利用できません。認知判断能力が低下した場合の照会では、照会対象者の3親等以内の親族も照会者になれます。
対象になる契約・ならない契約
原則として、照会受付日現在で有効に継続している個人保険契約を調べます。亡くなったことを理由とする照会では、死亡日まで最低3年間遡って調べます。死亡保険金の支払済みの契約や、解約済み・失効済みの契約は含まれません。
また、次の保険は対象外です。
- 財形保険・財形年金保険
- 支払が開始した年金保険
- 保険金等が据置きとなっている保険
調べられるのは、生命保険協会の会員会社の契約
調べられるのは、生命保険協会の会員会社の契約です。かんぽ生命も、会員会社として掲載されています。2007年9月30日以前に加入した簡易生命保険契約については、郵便局の保険窓口またはかんぽコールセンターに確認してください。
共済は生命保険協会の会員ではないため、この制度では照会できません。共済や、手元の書類からの探し方は、相続財産の調べ方の記事で説明しています。
契約が見つかった後
照会制度で分かるのは契約の有無です。契約があると分かったら、各生命保険会社のコールセンターに、生命保険協会の照会制度を利用したことを伝えて、手続きを進めます。生命保険協会は、請求を代行しません。また、保険金・給付金の権利者以外には、情報の開示を含めて回答できない場合があります。
例として、会員会社のかんぽ生命は、ゆうちょ銀行の相続手続きのために作成した「相続確認表」を、かんぽ生命の手続きにも共用できると案内しています。ゆうちょ銀行の手続きの進め方は、銀行が複数ある相続はどう進める?の記事で説明しています。
保険金を誰が受け取るのか、請求の期限や相続税との関係は、生命保険金と相続税の記事で説明しています。
申請の方法
申請の方法は、WEB での申請と、書面での申請から選べます。利用料がかかるので、金額は生命保険協会の公式案内で確認してください。平時の利用のほか、災害救助法が適用された災害のときに使える災害時利用もあります。
行政書士・社会保険労務士に相談できること
行政書士は、法定相続人または遺言執行者の任意代理人として、照会を申し出ることができます(任意代理人は、弁護士、司法書士および行政書士に限られます)。当事務所では、照会の申し出と、戸籍の収集などの書類の準備をお手伝いします。
相続税の申告は税理士、相続登記は司法書士、相続人の間の争いは弁護士への相談をご案内します。
まとめ
生命保険の契約があったかどうかは、照会制度で調べることができます。
- 分かるのは契約の有無。保険金額や支払の可否は各生命保険会社に確認する
- 照会できる人と、対象になる契約・ならない契約には決まりがある
- 共済は生命保険協会の会員ではないため、別に調べる(相続財産の調べ方)
生命保険の契約は、見つからないままになってしまうこともあります。気になるときは、照会制度を使って早めに確かめましょう。
相続のお手続きでお困りの方へ
うりずん相続手続き相談室では、親が生命保険に入っていたかどうかを確かめたいという段階から、戸籍の収集による相続人調査、財産調査、遺産分割協議書の作成、銀行口座の解約手続きのサポート、遺族年金・未支給年金の請求支援など、行政書士・社会保険労務士として対応できる手続きを中心にお手伝いしています。相続登記や相続税申告、紛争対応が必要な場合には、提携する司法書士・税理士・弁護士と連携し、必要な専門家へ適切におつなぎします。市区町村や年金事務所での手続きに不安をお持ちの方も、どうぞ安心してご相談ください。
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