相続手続きの基礎

喪中はがきで訃報を知ったら|年末年始の前に確認したい相続手続き

掲載:Officeうりずん社会保険労務士・行政書士事務所 代表・資格情報

相談室で50代前半の男性が行政書士と向かい合い、喪中はがきで知った親族の相続と年末年始の手続きについて相談しているイラスト

※この記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な解説です。期限がいつ始まり、いつ終わるかは、亡くなった方との関係や、亡くなったことを知った時期などによって異なります。相続放棄は亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所、準確定申告は税務署または税理士、個別の期限の判断は弁護士にご確認ください。

11月から12月にかけて届く喪中はがきで、親族が亡くなっていたことを初めて知ることがあります。また、年末に家族が亡くなると、手続きの途中で役所や金融機関の年末年始の休みに入ってしまうこともあります。この記事では、喪中はがきで訃報を知ったときにまず確認することと、年末年始の休みに入る前に動いておきたいことを整理します。それぞれの期限の数え方は、関連する記事で詳しく説明しています。


目次

  1. 喪中はがきで訃報を知ったら、まず確認すること
  2. 年末年始は、窓口ごとに休みの範囲が違います
  3. 死亡届は、年末年始も受け付けている市区町村があります
  4. 相続放棄を考えるなら、家庭裁判所が休みに入る前に確認を
  5. 期限が年末年始に重なったときの扱いは、同じではありません
  6. 休みに入る前に進めておきたい準備
  7. 相談先
  8. 行政書士・社会保険労務士に相談できること
喪中はがきで叔父の死亡を初めて知った50代前半の男性が、まず自分が相続人に当たるかを戸籍で確認すること、年末年始は窓口ごとに休みの範囲が違うこと、死亡届は休日も受け付けている市区町村があること、相続放棄を考えるなら家庭裁判所が休みに入る前に確認することについて、行政書士から説明を受けている様子を描いたイラスト

喪中はがきで訃報を知ったら、まず確認すること

喪中はがきで親族の訃報を知ったときは、あわてて手続きを始める前に、次の3つを確認しておくと、その後の判断がしやすくなります。

  • 亡くなった方と自分との関係
  • 亡くなった日
  • ほかに相続人がいるかどうか

誰が相続人になるかは、亡くなった方の戸籍を集めて確かめます。おじ・おばが亡くなっただけで、自分が相続人になるわけではありません。亡くなった方の子や親・祖父母(直系尊属)の有無、亡くなった方のきょうだいと自分の親の状況などを確認します。

相続放棄などを考える場合の期限について、民法は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」と定めています。

⚠ 期限がいつから始まるかは、事情によって異なります
民法は「自己のために相続の開始があったことを知った時から」と定めています。ご自身の場合にいつから数えるかは、弁護士や家庭裁判所に確認してください。

相続が始まった後の手続きと期限の全体像は、親が亡くなったらやるべき10のこと【期限付き手続き完全リスト】の記事で説明しています。


年末年始は、窓口ごとに休みの範囲が違います

年末年始の休みは、どこも同じではありません。国の行政機関については、行政機関の休日に関する法律が12月29日から1月3日までを休日と定めています。一方、銀行の休日は銀行法と同法の施行令で定められていて、範囲が違います。

公表されている資料で確認できた範囲を、窓口ごとにまとめると次のとおりです。

窓口年末年始の休み休みの間に窓口で受け付けているもの根拠
川崎市の区役所12月29日〜1月3日死亡届(区役所の守衛室で届書を受け取る)川崎市の案内
横浜市の区役所12月29日〜1月3日死亡届(各区役所の夜間・休日受付窓口で預かる)横浜市の案内
家庭裁判所法律で12月29日〜1月3日が裁判所の休日とされている公表されている資料では確認できませんでした裁判所の休日に関する法律1条
年金事務所12月29日〜1月3日は利用できない公表されている資料では確認できませんでした日本年金機構の案内
税務署日付入りの案内は、公表されている資料では確認できませんでした閉庁日も、時間外収受箱に申告書を投函して提出できる国税庁の案内
銀行法定の休日は12月31日〜1月3日。営業所ごとに別の休日を定めることもできる取引先の銀行の案内で確認銀行法15条・同施行令5条

12月30日は、役所や裁判所は休みですが、土日・祝日に当たる場合を除き、銀行の法定の休日には入っていません。ただし、銀行は営業所ごとに別の休日を定めることができ、その場合は店頭への掲示などで公表することとされています。取引先の金融機関の案内で確認してください。金融機関の窓口営業にも年末年始の休みがある、と考えて早めに動くのが安心です。


死亡届は、年末年始も受け付けている市区町村があります

死亡届は、戸籍法で、死亡の事実を知った日から7日以内に出すことになっています。年末年始は区役所の通常の窓口が休みになりますが、死亡届を受け付けている市区町村があります。

  • 川崎市:休日は、区役所の守衛室で届書を受け取ると案内しています
  • 横浜市:各区役所の夜間・休日受付窓口で預かり、翌開庁日以降に内容を確認して、不備がなければ受付日にさかのぼって受理すると案内しています。また、7日目が区役所の閉庁日に当たるときは翌開庁日が届出期間の末日になると、横浜市は案内しています

川崎市の確認した案内には、閉庁日に期間の末日が当たる場合の説明を見つけられませんでした。具体的な提出方法と日程は、届出先となる市区町村に確認してください。

死亡届から火葬許可までの流れは死亡届から火葬許可までの記事で、川崎市の区役所の窓口は川崎市で相続手続きをするならの記事で説明しています。


相続放棄を考えるなら、家庭裁判所が休みに入る前に確認を

相続放棄は、家庭裁判所に申述して行います(民法938条)。申述先は、亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所です。費用は、申述人1人につき収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手です。郵便料は裁判所ごとに異なります。

3か月の間に、相続するか放棄するかを決められないときは、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることができます。ただし、裁判所の案内では、この申立ても「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内」にする必要があるとされています。考える時間がほしい場合も、家庭裁判所が休みに入る前に動いておくことが大切です。

福島家庭裁判所の資料には「郵送の場合には必着」と記載されています。郵送で提出するときは、提出先の家庭裁判所に取扱いを確認してください。

申述書の作成を専門家に依頼する場合は司法書士または弁護士、手続きの代理を依頼する場合は弁護士が担当します。相続放棄の期限の数え方や必要書類は、相続放棄の期限と手続きの記事で説明しています。


期限が年末年始に重なったときの扱いは、同じではありません

期限の末日が年末年始に重なったときの扱いは、手続きによって違います。

手続き期限の末日が年末年始に当たったとき
国税(準確定申告・相続税の申告など)国税通則法により、休日や12月29日から31日までの日などに当たるときは、その翌日が期限とされる
相続放棄などの3か月年末年始に当たる場合の扱いを説明した裁判所の公式な案内は、今回確認した公表資料では確認できませんでした

亡くなった方の所得税の申告(準確定申告)は、所得税法と国税庁の案内で、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内とされています。申告が必要かどうかや税額は、税務署や税理士にご確認ください。

相続放棄については、民法142条が、期間の末日が休日に当たる場合について、その日に取引をしない慣習がある場合に限って期間の満了を後ろにずらすと定めています。国税の期限の定めを、そのまま相続放棄に当てはめることはできません。期限に余裕をもって、家庭裁判所が休みに入る前に確認しておきましょう。

相続税の申告期限の数え方は、相続税の申告期限は10か月の記事で説明しています。


休みに入る前に進めておきたい準備

窓口が休みに入る前と、休みの間とで、進められることが違います。休み明けに手続きを進めやすいよう、次のことを整理しておきましょう。

  • 必要な戸籍の確認:相続人を確かめるために、どの戸籍が必要かを確認しておく(戸籍の請求は、窓口が開いている日に行う)
  • 手元の資料の整理:通帳・郵便物・契約書類などを保管し、預貯金・不動産・借入れなどの財産を書き出しておく

財産の調べ方は、相続財産の調べ方の記事で説明しています。


相談先

手続きごとの主な相談先は次のとおりです。

  • 相続放棄・期間の伸長:亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所
  • 準確定申告・相続税:税務署、税理士
  • 遺族年金・未支給年金:年金事務所(12月29日から1月3日は利用できません)
  • 死亡届:届出先となる市区町村
  • 期限がいつから始まるかなどの個別の判断、相続人どうしの争い:弁護士
  • 相続登記:司法書士

行政書士・社会保険労務士に相談できること

当事務所では、次のようなお手伝いができます。

  • 戸籍の収集による相続人の調査
  • 財産の調査、遺産分割協議書の作成
  • 銀行口座の解約手続きのサポート
  • 遺族年金・未支給年金の請求のサポート(社会保険労務士)
  • 期限の一般的な説明と、状況に応じた相談先の整理

一方で、個別の期限がいつ始まりいつ終わるかの判断は弁護士、相続放棄の申述書の作成は司法書士または弁護士、税額の計算は税理士の業務です。必要に応じて、弁護士・司法書士・税理士への相談をご案内します。


まとめ

喪中はがきで訃報を知ったときや、年末に家族を亡くしたときは、年末年始の休みに入る前に確認しておくことがあります。

  • まず、亡くなった方との関係と、ほかに相続人がいるかを確認しましょう
  • 期限がいつから始まるかは、事情によって異なります。ご自身の場合は、弁護士や家庭裁判所に確認してください
  • 年末年始の休みの範囲は、窓口ごとに違います。死亡届は、休日も受け付けている市区町村があります
  • 相続放棄を考えている場合は、家庭裁判所が休みに入る前に確認しておきましょう

年末年始は、落ち着いて手続きを考えたい時期に窓口が休みに入ります。確認できることは早めに確認し、休みの間は手元の資料の整理を進めておくと、年明けの手続きがスムーズになります。

相続のお手続きでお困りの方へ

うりずん相続手続き相談室では、年末年始で窓口が休みに入る前に何を確認しておけばよいか、という段階から、戸籍の収集による相続人調査、財産調査、遺産分割協議書の作成、銀行口座の解約手続きのサポート、遺族年金・未支給年金の請求支援など、行政書士・社会保険労務士として対応できる手続きを中心にお手伝いしています。相続登記や相続税申告、紛争対応が必要な場合には、提携する司法書士・税理士・弁護士と連携し、必要な専門家へ適切におつなぎします。市区町村や年金事務所での手続きに不安をお持ちの方も、どうぞ安心してご相談ください。

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