ご家族が亡くなった直後は、深い悲しみの中で、待ったなしの手続きが次々と始まります。その最初の関門が「死亡届」と「火葬許可」です。死亡届には死亡の事実を知った日から7日以内という期限があり、これを出さなければ火葬を行うこともできません。
この記事では、亡くなった直後から7日以内にやるべきことを、実際の順番に沿って整理します。提出先や必要なもの、誰が届け出られるのかまで、ひとつずつ確認していきましょう。亡くなった後にやるべきこと全体の流れは親が亡くなったらやるべき10のことでまとめていますので、あわせてご覧ください。
目次
- まず医師から「死亡診断書(死体検案書)」を受け取る
- 死亡届はいつまで?|死亡の事実を知った日から7日以内
- 出さないとどうなる?|火葬できない・過料のリスク
- どこに出す?|提出先は3つのいずれか
- 誰が届け出られる?|届出人の範囲と葬儀社の代理
- 提出時に必要なもの
- 火葬許可証|死亡届と同時に申請・即日交付
- 提出前の注意点|死亡診断書はコピーを取っておく
- 7日を過ぎたら?|この後に続く手続き

まず医師から「死亡診断書(死体検案書)」を受け取る
すべての手続きの起点になるのが「死亡診断書」です。病院や自宅で病気により亡くなった場合は、医師から死亡診断書が発行されます。事故・自死・不審死など、通常の診療中の病死とは異なる場合には、警察の対応や医師の検案を経て「死体検案書」が作成されることがあります。
この死亡診断書(死体検案書)は、死亡届と一体になった用紙です。A3サイズの用紙で、左半分が「死亡届」、右半分が「死亡診断書(死体検案書)」という形になっており、右側を医師が記入します。まずはこの用紙を受け取ることが、すべての手続きのスタートになります。
死亡届はいつまで?|死亡の事実を知った日から7日以内
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に提出しなければならないと戸籍法で定められています。国外で亡くなった場合は、その事実を知った日から3か月以内です。7日目が役所の閉庁日(土日・祝日・年末年始)にあたる場合は、翌開庁日までが期限となります。
もっとも、実際には葬儀や火葬の日程の都合から、亡くなって1〜2日のうちに提出するのがほとんどです。「7日もある」と油断せず、できるだけ早めに動くことをおすすめします。
出さないとどうなる?|火葬できない・過料のリスク
死亡届を出さないと、火葬に必要な「火葬許可証」が交付されません。つまり、死亡届を出さなければ火葬ができず、葬儀そのものが先に進められないということです。これが、死亡届を急ぐ最大の理由です。
また、正当な理由なく期限内に届け出をしなかった場合、戸籍法により5万円以下の過料が科されることがあります。葬儀の準備で慌ただしい時期ですが、提出を忘れないよう注意しましょう。
どこに出す?|提出先は3つのいずれか
死亡届の提出先は、市区町村役場の戸籍係です。提出できるのは、次の3つのうちいずれかの市区町村役場になります。
- 亡くなった場所(死亡地)
- 亡くなった方の本籍地
- 届け出る方(届出人)の所在地(住所地)
上記以外の役所では受理されないこともあるため、迷う場合は葬儀社または提出予定の役所に事前確認しておくと安心です。なお、多くの役所では夜間・休日窓口でも死亡届を預かってくれます。その場合は翌開庁日に内容が確認され、不備がなければ受付した日にさかのぼって受理されます。
誰が届け出られる?|届出人の範囲と葬儀社の代理
死亡届の「届出人」になれる人は、戸籍法で定められています。具体的には、亡くなった方と同居していた親族、その他の同居者、家主・地主・家屋管理人・土地管理人などです。同居していない親族も届け出ることができます。後見人・保佐人・補助人・任意後見人・任意後見受任者が届出人になる場合は、登記事項証明書などの提出が必要です。
実務上は、ご家族が届出人欄に署名すれば、葬儀社が「使者」として役所への提出を代行してくれることが多くあります。多くの場合、死亡届の提出から火葬許可の申請まで、葬儀社がまとめて行ってくれます。
提出時に必要なもの
死亡届を提出する際は、次のものを準備しておくとスムーズです。
- 死亡診断書(死体検案書)と一体になった死亡届の用紙
- 届出人の本人確認書類(自治体によって確認されることがあるため、持参すると安心です)
なお、戸籍の届書への押印義務は廃止されており、死亡届自体は署名のみで提出できます。ただし、火葬許可申請や自治体の関連手続き、記載内容の訂正確認などで印鑑があると安心な場合もあります。必要なものは自治体によって多少異なるため、心配な場合は提出先の役所のホームページを確認するか、葬儀社に相談しておきましょう。
火葬許可証|死亡届と同時に申請・即日交付
死亡届を提出するときに、あわせて「火葬許可申請書」を提出します。開庁時間内で書類に不備がなければ、その場で火葬許可証が交付されるのが一般的です。ただし夜間・休日窓口ではいったん預かりとなり、取扱いが自治体によって異なる場合があるため、火葬日程が決まっているときは事前に確認しておきましょう。
火葬当日は、この火葬許可証を火葬場に提出します。火葬が済むと火葬執行の証明印が押されて返却され、これがその後の納骨(お墓への埋葬)の際に必要になります。大切に保管しておきましょう。
提出前の注意点|死亡診断書はコピーを取っておく
注意したいのが、死亡診断書(死亡届と一体の用紙)は、役所へ提出すると原本が手元に戻らないという点です。
死亡診断書は、生命保険金の請求や遺族年金の手続きなど、この後のさまざまな場面で必要になります。提出前に、コピーを5枚程度取っておくと、後の手続きで慌てずに済みます。葬儀社に依頼する場合も、コピーを取ってもらえるか確認しておくとよいでしょう。なお、生命保険会社や手続きの種類によっては、コピーではなく所定の診断書や死亡届記載事項証明書を求められることもあります。
7日を過ぎたら?|この後に続く手続き
死亡届と火葬許可で最初の山を越えても、その後には期限のある手続きが続きます。たとえば、世帯主変更届(必要な場合は14日以内)、年金関係の手続き(年金受給権者死亡届は、マイナンバーが収録されている場合は原則不要ですが、未支給年金の請求などは別途必要)、国民健康保険・介護保険などの資格喪失手続き(多くは14日以内)があります。会社員などの健康保険・厚生年金については、事業主が資格喪失届を提出する手続きになります。
何から手をつければよいか分からなくなりがちな時期です。やるべきことの全体像と優先順位は親が亡くなったらやるべき10のことで整理していますので、続けてご確認ください。
まとめ
亡くなった直後の最初の関門は、「死亡届(死亡の事実を知った日から7日以内)」と「火葬許可」です。医師から死亡診断書を受け取り、本人確認書類を持って、死亡地・本籍地・届出人の所在地のいずれかの戸籍係へ提出します。火葬許可は死亡届と同時に申請でき、その場で交付されます。提出前に死亡診断書のコピーを取っておくことも忘れないようにしましょう。
これらの多くは葬儀社が代行してくれますが、提出先や届出人、コピーの要否といった要点を家族が知っておくだけで、慌ただしい時期の安心感が大きく変わります。
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