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親が有料老人ホームに入る前に|前払金と届出の有無を契約前に確かめる

掲載:Officeうりずん社会保険労務士・行政書士事務所 代表・資格情報

母の有料老人ホームへの入居について相談する40代後半の女性に、行政書士が机の上のパンフレットを示して説明しているイラスト

※この記事は2026年10月時点の情報に基づく一般的な解説です。有料老人ホームの契約の内容や前払金の扱いは、施設や契約によって異なります。施設の届出や重要事項説明書は都道府県・市の窓口、契約の条項や紛争は弁護士、前払金の税務は税理士にご確認ください。

親の有料老人ホームへの入居を考えるとき、パンフレットだけでは分からないことがあります。前払金や届出のことは、入居前の書類で確かめることができます。この記事では、有料老人ホームに入る前に確かめておきたいことを整理します。


目次

  1. 国の調査から見える全国の状況
  2. 法律が求めていること
  3. 重要事項説明書で、届出の有無を確かめる
  4. 前払金と保全措置
  5. 契約の前にできること
  6. 行政書士に相談できること
母の有料老人ホームへの入居について相談する40代後半の女性が、契約の前に確かめる書類について行政書士から説明されている様子を描いたイラスト

国の調査から見える全国の状況

厚生労働省は、令和8年9月25日に、「令和7年度有料老人ホームを対象とした指導状況等のフォローアップ調査(第17回)」の結果を公表しました。都道府県などに、届出や指導の状況を調べたものです。

この調査によると、令和7年6月30日時点で、届出された有料老人ホームは17,883件、未届の有料老人ホームは568件(3.1%)でした。同じ調査で、前払金を徴収している有料老人ホームは2,384件、そのうち前払金の保全措置を講じていないホームは25件(1.0%)でした。

令和8年の法改正で、一定の有料老人ホームを対象とする登録制が導入される予定で、施行日は「公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日」とされています。


法律が求めていること

老人福祉法第29条は、有料老人ホームについて、次のことを定めています。

  • 有料老人ホームを設置しようとする者は、あらかじめ都道府県知事に届け出る(第1項)
  • 設置者は、入居する人や入居しようとする人に、介護等の内容などの情報を開示する(第7項)
  • 第9項の対象となる前払金を一括して受け取る設置者は、前払金の算定の基礎を書面で明示し、必要な保全措置を講じる(第9項)
  • 設置者は、有料老人ホーム情報を都道府県知事に報告し、都道府県知事はそれを公表する(第11項・第12項)

重要事項説明書で、届出の有無を確かめる

重要事項説明書は、有料老人ホームの事業主体や利用料金、入居希望者への事前の情報開示などを記載した書類です。国の指針は、設置の届出をしていない場合は、重要事項説明書にその旨を記載し、入居契約の際に入居希望者に十分に説明するよう求めています。

⚠ 届出の有無は、重要事項説明書の欄で確かめましょう
届出の有無は、重要事項説明書の欄で確かめ、分からないときは市の窓口に確認してください。


前払金と保全措置

老人福祉法第29条第9項の対象となる前払金を受け取るホームには、保全措置が義務づけられています。

重要事項説明書には、前払金の保全先(連帯保証を行う銀行等、信託契約を行う信託会社等、保証保険を行う保険会社、全国有料老人ホーム協会など)を書く欄があります。入居前に、この欄を確かめておきましょう。

退去や死亡の後の前払金の返還については、親が施設で亡くなったらの記事で説明しています。


契約の前にできること

国の指針は、有料老人ホームに対し、体験入居を希望する人に契約の前に体験入居の機会を確保すること、パンフレット・重要事項説明書・入居契約書などを公開し、求めに応じて交付することを求めています。

川崎市・横浜市・神奈川県は、有料老人ホームの重要事項説明書をホームページで公開しています。川崎市は、定期報告を期日までに提出した事業所のみ掲載しているとし、掲載されていない事業所については、直接事業所に問い合わせるよう案内しています。

身元保証人がいない場合の入居は老人ホームに身元保証人なしで入れる?、高齢者等終身サポート事業者を選ぶときの確認は身元保証や死後事務を事業者に頼む前に、保証会社をめぐるトラブルは身元保証・終身サポートのトラブル事例の記事で説明しています。


行政書士に相談できること

日本行政書士会連合会は、行政書士が遺産相続で引き受ける業務について、法的紛争段階にある事案や、税務・登記申請業務に関するものを除き、遺産分割協議書などの書類作成を中心に、その前提となる調査も含めて引き受けると案内しています。

当事務所では、入居に備えた任意後見契約や財産管理委任契約の書類作成、入居前の書類の整理をお手伝いします。くわしくはおひとりさまに必要な生前契約セットの記事で説明しています。契約の条項の法的な評価や紛争は弁護士、前払金の税務は税理士への相談をご案内します。


まとめ

有料老人ホームに入る前に、書類で確かめられることがあります。

  • 老人福祉法第29条第9項の対象となる前払金には、保全措置が義務づけられている。保全先は重要事項説明書の欄で確かめる
  • 届出の有無も重要事項説明書で確かめ、分からないときは市の窓口に確認する
  • 体験入居や書類の公開を活用して、契約の前に確かめる

入居の前に書類を確かめておくと、親も家族も安心して新しい暮らしを始められます。気になる点は、契約の前に確かめましょう。

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