
※この記事は2026年10月時点の情報に基づく一般的な解説です。遺族年金の要件や手続きは、亡くなった方の加入の状況や遺族の状況によって異なります。保険料納付要件などの確認は年金事務所または社会保険労務士、遺族の間の争いは弁護士にご確認ください。
「未納があると、遺族年金は出ない」と聞いて、不安になる方もいると思います。遺族年金には保険料の納付要件があり、日本年金機構の案内では、原則と特例が示されています。未納の時期があることだけで、要件に当たらないと決まるわけではありません。要件に当たるかどうかは、年金事務所で確認してください。この記事では、日本年金機構の案内に沿って、納付要件の原則と特例、確かめ方を整理します。遺族年金の全体の流れは、遺族年金の請求手続き完全ガイドの記事で説明しています。
目次
- 保険料の納付要件とは(原則)
- 特例には、期限と年齢の条件がある
- 納付要件がかかるのは、一部の受給要件だけ
- 遺族年金と障害年金では、基準になる日が違う
- 要件に当たるかどうかを確かめる
- 社会保険労務士・行政書士に相談できること
保険料の納付要件とは(原則)
日本年金機構は、遺族基礎年金・遺族厚生年金の受給要件のうち1と2について、「死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要です」としています。
判定は「死亡日の前日において」行われます。受給要件の1と2がどのようなものかは、後の節で整理します。
特例には、期限と年齢の条件がある
日本年金機構は、続けて「ただし、死亡日が令和18年3月末日までのときは、死亡した方が65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。」としています。
この特例には、死亡日が令和18年3月末日までであることと、死亡した方が65歳未満であることの2つの条件があります。
⚠ 特例には期限と年齢の条件があります
死亡日が令和18年3月末日までで、死亡した方が65歳未満であることが条件です。
納付要件がかかるのは、一部の受給要件だけ
ここでは、亡くなった方についての要件を整理します。対象となる遺族の範囲などは、別に確認が必要です。保険料の納付要件は、次の要件のうち1と2に当てはまる場合の条件です。それぞれ、次に挙げる要件のいずれかに当てはまるかを確認します。
日本年金機構の案内では、遺族基礎年金の受給要件は次のとおりです。
- 要件1:国民年金の被保険者である間に死亡したとき
- 要件2:国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していた方が死亡したとき
- 要件3:老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
遺族厚生年金の受給要件は次のとおりです。
- 要件1:厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
- 要件2:厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
- 要件3:1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けとっている方が死亡したとき
- 要件4:老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
老齢年金の受給資格を満たした方の死亡にあたる、遺族基礎年金の要件3と遺族厚生年金の要件4について、日本年金機構は、保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間並びに65歳以降の厚生年金保険の被保険者期間を合算した期間が25年以上ある方に限るとしています。
遺族年金と障害年金で、保険料納付要件の基準になる日がどう違うかは、次の節で整理します。
遺族年金と障害年金では、基準になる日が違う
保険料納付要件を確認する基準は、遺族年金では死亡日の前日、障害年金では初診日の前日です。
障害年金の納付要件と特例は、障害年金と遺族年金は何が違う?の記事で説明しています。
要件に当たるかどうかを確かめる
要件に当たるかどうかは、年金事務所で確認してください。
日本年金機構は、全国の年金事務所や街角の年金相談センターなどで、年金相談の予約を受け付けています。窓口での相談では本人確認があるため、用意するものは日本年金機構の案内で確かめてください。亡くなった方の記録を確かめるときに必要なものも、年金事務所に確認してください。
遺族年金の請求先と提出書類は、遺族年金はどこに請求する?の記事で説明しています。
社会保険労務士・行政書士に相談できること
社会保険労務士として、遺族年金の請求に必要な書類の作成や、提出の代行をお手伝いします。行政書士として、相続人を確かめるための戸籍の収集もお手伝いします。
保険料納付要件などの確認は、年金事務所または社会保険労務士にご相談ください。遺族の間で受給をめぐる争いがある場合は、弁護士への相談をご案内します。
まとめ
保険料の納付要件は、原則と特例を分けて確かめます。
- 受給要件の1と2では、死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることが必要(日本年金機構)
- 死亡日が令和18年3月末日までで、死亡した方が65歳未満なら、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に未納がないかを見る特例がある
- 要件に当たるかどうかは、年金事務所で確認する
未納の時期があっても、まずは要件を確かめるところから始めましょう。
相続のお手続きでお困りの方へ
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