※この記事は2026年9月時点の情報に基づく一般的な解説です。誰が相続人になるかや必要な手続きは、家族の状況や亡くなった方の財産などによって異なります。相続人の確認は戸籍、登記は司法書士や法務局、申告が必要かどうかは税理士や税務署にご確認ください。
相続人が自分一人だけの場合、遺産の分け方を話し合う相手はいません。それでも、預金があれば金融機関の手続き、相続で不動産の所有権を取得した場合は相続登記を確認します。税金の申告が必要かどうかも確かめることになります。この記事では、相続人が一人の場合に最初に確かめることと、必要になる手続きを整理します。
目次
- まず、本当に相続人が一人かを戸籍で確かめる
- ほかの相続人が相続放棄をして一人になった場合
- 遺産の分け方を話し合う相手はいません
- 一人でも必要な手続き①|金融機関
- 一人でも必要な手続き②|相続登記
- 一人の場合も確かめたいこと|準確定申告・相続税
- 行政書士・社会保険労務士に相談できること
まず、本当に相続人が一人かを戸籍で確かめる
民法では、配偶者は常に相続人となります(890条)。子も相続人となり、子が先に亡くなっている場合には、その子の子ども(孫)などが代わって相続人となることがあります(887条)。子や、その子に代わって相続人となる孫などがいない場合に、親や祖父母などの直系尊属、その次に兄弟姉妹が相続人となります(889条)。
そのため、自分が一人っ子でも、亡くなった方に配偶者がいる場合や、前の結婚で生まれた子、養子がいる場合は、相続人は一人ではありません。
⚠ 「一人っ子だから相続人は一人」とは限りません
誰が相続人になるかは、戸籍で確認します。
戸籍の集め方は、相続人調査の記事で説明しています。
ほかの相続人が相続放棄をして一人になった場合
ほかの相続人が相続放棄をした結果、相続人が一人になることもあります。相続放棄は家庭裁判所に申述する手続きで、相続放棄をした人は、その相続に関しては初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。相続放棄が受理されたことを示す相続放棄申述受理証明書は、受理をした家庭裁判所に申請して交付を受けます。
なお、法務局の案内によると、法定相続情報一覧図には、相続放棄をした人も記載されます。一覧図だけでは、相続放棄の後に相続人が一人になったことは示せません。相続人の範囲は戸籍で確認し、そのうえで、相続放棄が受理されたことを示す書類も確認します。先の順位の人が全員相続放棄をした場合は、次の順位の人が相続人となる可能性にも注意が必要です。一覧図の作り方は、法定相続情報一覧図の作り方の記事で説明しています。
遺産の分け方を話し合う相手はいません
戸籍で確認して相続人が一人と分かった場合、遺産の分け方を話し合う相手はいません。全国銀行協会も、預金の相続手続きの必要書類を、遺産分割協議書がある場合とない場合などに分けて案内しています。
相続人が複数いる場合の遺産分割協議書の書き方は、遺産分割協議書の書き方と雛形の記事で説明しています。
一人でも必要な手続き①|金融機関
全国銀行協会は、預金の相続手続きの流れを、お取引金融機関への連絡、必要書類の準備、所定の書類の提出、払戻し等の手続き、という順で案内しています。必要な書類は、相続の方法や内容、お取引金融機関によって異なる場合があります。
亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍などを求められることが一般的です。どの書類が必要かは、提出先の金融機関に確認してください。口座の凍結から解約までの流れは、銀行口座が凍結された時の対処法の記事で説明しています。
一人でも必要な手続き②|相続登記
相続で不動産の所有権を取得した場合は、相続登記の申請が必要です。不動産登記法(76条の2)は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならないと定めています。
相続登記を専門家に依頼する場合は司法書士に、ご自身で申請する方法を確認する場合は法務局に相談してください。
一人の場合も確かめたいこと|準確定申告・相続税
亡くなった方に確定申告が必要な所得があった場合などには、相続人が準確定申告をします。申告が必要な場合は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告します(国税庁)。国税庁の案内では、相続人等が2人以上の場合は連署して提出します。各人が別々に提出する場合は、提出した人がほかの相続人等に申告の内容を通知します。相続人等が一人なら、この連署や通知は生じません。準確定申告書の付表は、相続人等が一人の場合も添付します。
相続税の申告が必要かどうかも、財産の内容によって変わります。準確定申告や相続税の申告が必要かどうかは、税理士または税務署に確認してください。期限がある手続きの一覧は、相続手続きが長引くのはどこ?の記事で整理しています。
行政書士・社会保険労務士に相談できること
当事務所では、次のようなお手伝いができます。
- 戸籍の収集による相続人の調査
- 財産の調査
- 一覧図の作成と申出の代理
- 遺族年金・未支給年金の請求のサポート(社会保険労務士)
相続登記は司法書士、準確定申告や相続税の申告は税理士、相続放棄の申述は家庭裁判所、争いがある場合は弁護士への相談をご案内します。
まとめ
相続人が一人でも、確かめることと必要な手続きがあります。
- まず、戸籍で確認して、本当に相続人が一人かを確かめる
- 遺産の分け方の話し合いはないが、預金があれば金融機関の手続き、相続で不動産の所有権を取得した場合は相続登記を確認する。税金の申告が必要かどうかも確かめる
- 相続放棄(申述先は家庭裁判所)で一人になった場合は、一覧図だけでは一人であることを示せない
相続人が一人でも、確かめることは一つずつあります。戸籍の確認から始めて、必要な手続きを順番に進めていきましょう。
相続のお手続きでお困りの方へ
うりずん相続手続き相談室では、相続人が一人でも必要な手続きを一つずつ確かめたいという段階から、戸籍の収集による相続人調査、財産調査、遺産分割協議書の作成、銀行口座の解約手続きのサポート、遺族年金・未支給年金の請求支援など、行政書士・社会保険労務士として対応できる手続きを中心にお手伝いしています。相続登記や相続税申告、紛争対応が必要な場合には、提携する司法書士・税理士・弁護士と連携し、必要な専門家へ適切におつなぎします。市区町村や年金事務所での手続きに不安をお持ちの方も、どうぞ安心してご相談ください。
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