ご家族を亡くされたばかりの皆さまへ。心よりお悔やみ申し上げます。
大切なご家族を見送られたあと、葬儀を終えてひと息つかれたころに、「健康保険の手続きは、何かしなければいけないのだろうか」とふと気にかかる方も多いのではないでしょうか。会社にお勤めだった方、定年退職後の方、自営業の方、75歳以上の方――亡くなられた方がどの保険に入っていらっしゃったかによって、ご遺族がすること、そして受け取れるお金は少しずつ異なります。
実は、健康保険や国民健康保険には、ご家族が亡くなられたとき、葬儀を行ったご遺族にお金が支給される制度があります。健康保険では「埋葬料(まいそうりょう)」、国民健康保険や後期高齢者医療制度では「葬祭費(そうさいひ)」と呼ばれるものです。葬儀の費用そのものとは別に受け取れるお金ですが、ご自身で申請しなければ支給されず、しかも請求できる期限が決まっています。この記事では、どの制度でどんな手続きが必要か、社会保険労務士として順を追って丁寧にご説明します。ご無理のないよう、一つずつ確認していきましょう。
目次
- 健康保険と国民健康保険で、死亡時の手続きはどう違うのか
- まず必要な「資格喪失」と保険証の返却
- 健康保険の「埋葬料」― 会社の健康保険に入っていた場合
- 国民健康保険の「葬祭費」― 自営業・退職後などの場合
- 後期高齢者医療制度の「葬祭費」― 75歳以上だった場合
- 申請の進め方 ― 必要書類とよくある注意点
- 健康保険・国民健康保険の死亡時手続きについてよくあるご質問

本文中の金額・期限の取り扱いは、2026年時点の制度内容にもとづいています。具体的な金額は、お住まいの市区町村や加入されていた健康保険によって異なる場合がありますので、最終的な金額は各窓口でご確認ください。
1. 健康保険と国民健康保険で、死亡時の手続きはどう違うのか
ご家族が亡くなられたときの医療保険のお手続きは、亡くなられた方がどの保険に入っていらっしゃったかによって、窓口も給付の名前も変わります。まずは全体像をつかんでおきましょう。
日本では、すべての方が次の3つのいずれかの医療保険に加入しています。
| 制度 | 主な対象の方 | 死亡時に受け取れるお金 | 窓口 |
|---|---|---|---|
| 健康保険(健保) | 会社にお勤めの方とそのご家族 | 埋葬料・家族埋葬料・埋葬費 | 協会けんぽ・健康保険組合 |
| 国民健康保険(国保) | 自営業・退職後の方など | 葬祭費 | お住まいの市区町村 |
| 後期高齢者医療制度 | 原則75歳以上の方 | 葬祭費 | お住まいの市区町村(広域連合) |
このように、会社の健康保険なら「埋葬料」、国民健康保険や後期高齢者医療制度なら「葬祭費」と、名前が分かれています。金額も、健康保険の埋葬料は全国一律ですが、国民健康保険・後期高齢者医療制度の葬祭費はお住まいの市区町村によって金額が異なります。
「亡くなった家族がどの保険に入っていたか分からない」という場合も、ご心配はいりません。お手元の保険証(資格確認書)を見れば、どの制度かを確認できます。会社員の方であれば「○○健康保険組合」「全国健康保険協会」などと記載され、自営業・退職後の方であれば市区町村名が、75歳以上の方であれば「後期高齢者医療」と記載されています。
🌱 大切なポイント
死亡時の医療保険の手続きには、大きく分けて「保険証を返す・切り替える」手続きと、「埋葬料・葬祭費を受け取る」手続きの2つがあります。前者は期限が短いものがあり、後者は受け取れるお金です。どちらも忘れないよう、まずは「亡くなった家族がどの保険だったか」を確認することから始めましょう。
2. まず必要な「資格喪失」と保険証の返却
ご家族が亡くなられると、その方が加入していた医療保険の資格を失います(資格喪失)。これにともなって、保険証の返却と、扶養に入っていたご家族がいる場合は保険の切り替えが必要になります。
⏰ 手続きの期限:保険証の返却は速やかに/国民健康保険の届出は 14日以内
期限は制度によって異なります。下の表で整理しておきましょう。
| 亡くなった方の保険 | 主な届出先 | 期限の目安 | 返却・持参するもの |
|---|---|---|---|
| 健康保険(会社員) | 勤務先の会社経由で年金事務所など | 会社の資格喪失届は 5日以内 が目安 | 保険証(ご家族の分も含む) |
| 国民健康保険 | お住まいの市区町村 | 14日以内 | 保険証・世帯主の本人確認書類など |
| 後期高齢者医療制度 | お住まいの市区町村 | 14日以内 | 保険証(資格確認書) |
会社にお勤めだった方の場合、資格喪失の届け出そのものは会社が行いますので、ご遺族は会社の案内にそって保険証をお返しすれば大丈夫です。一方、国民健康保険・後期高齢者医療制度は、ご遺族(世帯主など)が市区町村の窓口で届け出る必要があります。
保険証はどうなる? ― マイナ保険証・資格確認書の扱い(2025年12月以降)
従来の健康保険証は2024年12月2日から新規発行が終了し、2025年12月2日以降は使えなくなりました。現在はマイナ保険証か資格確認書へ移行しています。
- 故人がマイナ保険証を使っていた場合:死亡届が受理されるとマイナンバーカードは自動的に失効し、保険証としての利用も止まります。ただし保険の資格喪失手続き(健保=勤務先/国保・後期高齢=市区町村)は別途必要です。
- 故人が資格確認書をお持ちだった場合:健保なら勤務先へ、国保・後期高齢なら市区町村へ返却します。
- 経過措置中の従来の保険証が手元にある場合も、資格喪失にあわせて返却を。
ここで見落とされやすいのが、亡くなられた方の扶養に入っていたご家族です。
⚠ 扶養されていたご家族は、保険の切り替えが必要です
会社員だった方の健康保険に被扶養者として入っていたご家族(配偶者やお子様など)は、その方が亡くなられると、これまでの保険証が使えなくなります。ほかにお勤めのご家族の扶養に入るか、国民健康保険に加入する(14日以内)かの切り替えが必要です。切り替えが遅れると、その間に医療機関にかかったときの精算が複雑になることがありますので、落ち着かれたら忘れずにお手続きください。
なお、亡くなられた方が世帯主だった場合は、医療保険とは別に、世帯主変更届などが必要になることもあります。市区町村の窓口で「世帯主が亡くなった」とお伝えになると、必要な手続きをまとめて案内してもらえます。
また、医療保険の資格喪失にともなって、保険料の精算が生じることがあります。国民健康保険・後期高齢者医療制度の保険料は、亡くなられた月などを基準に再計算され、納めすぎがあればご遺族(相続人)へ還付され、不足があれば納付をお願いされることがあります。会社の健康保険でも、最後の保険料の精算が行われます。いずれも、市区町村や会社からの案内にそって進めれば心配はいりません。
📖 亡くなる前の医療費に、戻ってくるお金が残っていることがあります(高額療養費)
亡くなられた方が生前に高額の医療費を自己負担していた場合、自己負担限度額を超えた分が「高額療養費」として払い戻されることがあります。ご本人が受け取る前に亡くなられたときは、相続人が請求して受け取れます(請求期限は診療を受けた月の翌月初日から2年)。
ただし、世帯主や被保険者ご本人ぶんの高額療養費は故人の相続財産にあたり、相続税の対象になり得ます。借金などで相続放棄を検討している場合は、受け取ると相続を承認したとみなされることがあるため、判断の前に専門家へご相談ください。なお、扶養されていたご家族ぶんの高額療養費は被保険者ご自身の権利で、相続財産にはあたりません。
3. 健康保険の「埋葬料」― 会社の健康保険に入っていた場合
ここからは、受け取れるお金のお話です。まずは、亡くなられた方が会社の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に加入していた場合の「埋葬料」です。
🌱 健康保険の埋葬料(5万円)
健康保険の被保険者が亡くなられた場合、その方に生計を維持されていて、埋葬を行ったご遺族に「埋葬料」として5万円が支給されます。この5万円は全国一律の法定額です。葬儀の費用そのものとは別に、健康保険から受け取れるお金ですので、請求のし忘れにご注意ください。
埋葬料には、亡くなられた方やご遺族の状況に応じて、いくつかのかたちがあります。
| 種類 | どんなとき | 金額 |
|---|---|---|
| 埋葬料 | 被保険者(ご本人)が亡くなり、生計を維持されていたご遺族が埋葬を行ったとき | 5万円 |
| 家族埋葬料 | 被保険者の被扶養者(ご家族)が亡くなったとき | 5万円 |
| 埋葬費 | 生計を維持されていたご遺族がいない場合に、実際に埋葬を行った方へ | 埋葬にかかった費用(上限5万円) |
たとえば、会社員のご主人が亡くなられ、奥様が喪主として葬儀を行われた場合は、奥様が「埋葬料」として5万円を受け取れます。また、ご主人の扶養に入っていたお子様が亡くなられた場合は、ご主人が「家族埋葬料」5万円を受け取れます。ご遺族がいらっしゃらず、知人の方などが埋葬を行った場合は、その方が実費(上限5万円)を「埋葬費」として受け取れる、という仕組みです。
📖 申請の窓口と必要書類
埋葬料の申請窓口は、亡くなられた方が加入していた協会けんぽ(各都道府県支部)または健康保険組合です。会社員の方の場合、会社が手続きを案内・代行してくれることもありますので、まずは勤務先にご確認ください。主な必要書類は、埋葬料(費)支給申請書、死亡を証明する書類(埋火葬許可証の写し・死亡診断書の写しなど)、振込先の口座情報などです。埋葬費を申請する場合は、葬儀の領収書も必要になります。
なお、在職中(お勤めの最中)に亡くなられた場合は、この埋葬料に加えて、最後のお給与・死亡退職金や遺族年金など、会社を通じた手続きも重なります。在職中の死亡に特有の流れは、別の記事で詳しくまとめています。
➡ 関連ページ:在職中に亡くなった場合の労務手続き|ご遺族がまず確認したいお金と保険・年金の手続き
お勤め中に亡くなられた場合の、会社への連絡から最後の給与・退職金、健康保険の資格喪失、遺族年金、労災までを、ご遺族の目線で順を追って解説しています。
4. 国民健康保険の「葬祭費」― 自営業・退職後などの場合
次に、亡くなられた方が国民健康保険(国保)に加入していた場合です。自営業の方や、定年退職後に会社の健康保険から国保に切り替えていた方などが当てはまります。
国民健康保険では、葬儀(葬祭)を行ったご遺族に対して「葬祭費」が支給されます。健康保険の埋葬料が全国一律5万円であるのに対し、国保の葬祭費は、お住まいの市区町村によって金額が異なります。一般的には3万円〜7万円程度で、5万円としている自治体が多く見られます。
たとえば、当事務所のある川崎市の国民健康保険では、葬祭費として5万円が支給されます。同じ神奈川県内でも市区町村ごとに金額や手続きが異なりますので、お住まいの自治体の取り扱いを一度ご確認いただくのが確実です。
⏰ 手続きの期限:葬祭を行った日の翌日から 2年以内
葬祭費にも申請期限があり、葬儀を行った日の翌日から2年で時効となります。落ち着かれてからで構いませんが、忘れないうちにお手続きください。
ここで、よく似た「埋葬料」と「葬祭費」の違いを整理しておきましょう。
| 健康保険の埋葬料 | 国民健康保険の葬祭費 | |
|---|---|---|
| 対象 | 会社員とそのご家族 | 自営業・退職後の方など |
| 金額 | 全国一律5万円 | 自治体ごとに異なる(おおむね3〜7万円) |
| 窓口 | 協会けんぽ・健康保険組合 | お住まいの市区町村 |
| 申請期限 | 2年 | 2年 |
⚠ 葬祭費を申請できるのは「葬祭を行った方」です
葬祭費を受け取れるのは、原則として実際に葬儀(葬祭)を行った喪主の方です。亡くなられた方ご本人や、葬儀を行っていないご親族は対象になりません。申請書には喪主であることを確認できる書類(会葬礼状や葬儀の領収書など)が必要になることが多いので、葬儀社からの書類は捨てずに保管しておきましょう。
金額や必要書類は市区町村によって細かく異なります。お住まいの市区町村のホームページで「葬祭費」と検索されるか、窓口で直接ご確認いただくのが確実です。
5. 後期高齢者医療制度の「葬祭費」― 75歳以上だった場合
亡くなられた方が75歳以上(一定の障害がある方は65歳以上)だった場合は、健康保険でも国民健康保険でもなく、「後期高齢者医療制度」に加入されています。この制度でも、葬儀を行ったご遺族に「葬祭費」が支給されます。
後期高齢者医療制度の葬祭費も、国民健康保険と同じように、お住まいの地域(後期高齢者医療広域連合)によって金額が異なります。5万円程度としている地域が多く見られますが、これも最終的にはお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。申請期限は、こちらも葬祭を行った日の翌日から2年以内です。
なお、75歳になる前でも、一定の障害があると認定された65歳以上の方は、ご本人の選択によって後期高齢者医療制度に加入していることがあります。この場合も、亡くなられたときの葬祭費の扱いは、75歳以上の方と同じです。「まだ75歳前だから関係ないだろう」と思い込んで葬祭費を申請されないままになっているケースもありますので、保険証(資格確認書)に「後期高齢者医療」と記載があれば、この制度の対象とお考えください。判断に迷われたときは、市区町村の窓口にお尋ねいただくのが確実です。
📖 「健康保険」と「後期高齢者医療制度」は別の制度です
同じ75歳以上の方でも、在職中(お勤めの最中)で会社の健康保険に加入していた場合は、後期高齢者医療制度ではなく健康保険の扱いになることがあります。どちらの制度に入っていたかは保険証(資格確認書)で確認できますので、迷われたときは保険証の記載をご覧いただくか、市区町村の窓口でお尋ねください。在職中に75歳以上で亡くなられたケースの扱いは、上でご紹介した在職中の死亡の記事でも触れています。
後期高齢者医療制度の葬祭費の申請窓口は、お住まいの市区町村の担当窓口です。国民健康保険とは制度が別ですが、窓口は同じ市区町村役場であることが多く、「後期高齢者の葬祭費を申請したい」とお伝えになれば案内を受けられます。
6. 申請の進め方 ― 必要書類とよくある注意点
最後に、埋葬料・葬祭費に共通する申請の進め方と、見落とされやすい注意点をまとめます。
申請の際に必要となる書類は、制度によって細かな違いはありますが、おおむね次のようなものです。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 支給申請書 | 各制度の所定の様式(窓口・ホームページで入手) |
| 死亡を証明する書類 | 死亡診断書の写し・埋火葬許可証の写しなど |
| 葬祭を行ったことが分かる書類 | 葬儀の領収書・会葬礼状など(喪主・申請者の確認用) |
| 申請者の本人確認書類 | 運転免許証・マイナンバーカードなど |
| 振込先の口座情報 | 申請者(喪主など)名義の口座 |
⏰ いずれの制度も、申請期限は 2年
埋葬料も葬祭費も、申請できる期限は2年と定められています。2年を過ぎると時効により請求できなくなりますので、ご注意ください。とはいえ、葬儀直後の慌ただしい時期に急いで手続きをする必要はありません。四十九日などの区切りを終え、落ち着かれてからでも十分間に合います。
🌱 葬儀費用とは別に受け取れるお金です
埋葬料・葬祭費は、葬儀社へお支払いになった費用が戻ってくるものではなく、健康保険・国民健康保険から別に支給されるお金です。「葬儀の費用は自分で払ったから関係ない」と思って申請されないままになっているケースが少なくありません。申請しなければ受け取れないお金ですので、どうか請求のし忘れにご注意ください。
受け取った埋葬料・葬祭費に税金はかかる?
埋葬料・埋葬費・家族埋葬料・葬祭費には、相続税も所得税もかかりません(各法の公課禁止規定により)。これらは葬儀を行った方(喪主など)ご自身の権利で、故人の権利ではないため相続財産にもあたらず、確定申告も不要です。そのため、相続放棄をお考えの方でも受け取ることができ、受け取ったことで相続を承認したとみなされる心配もありません(前章でふれた高額療養費とは扱いが異なります)。
📖 葬儀費用は相続税の計算で差し引けます
給付金そのものは非課税ですが、実際の葬儀費用は相続税の計算で遺産総額から控除(葬式費用の控除)できます。葬儀社の領収書は申請にも相続税手続きにも使うので保管を。
死亡にともなう手続きは、医療保険だけではありません。遺族年金や未支給年金など、年金に関するお手続きも、請求しなければ受け取れないものが多くあります。あわせて確認されることをおすすめします。
➡ 関連ページ:遺族年金の請求手続き完全ガイド|社労士が教える受給要件と必要書類
遺族基礎年金・遺族厚生年金の受給要件、金額の目安、請求の流れと必要書類まで、遺族年金の全体像をまとめています。
亡くなられたあとの手続き全体の流れや期限を一覧で確認されたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
➡ 関連ページ:親が亡くなったらやるべき10のこと【期限付き手続き完全リスト】
死亡届から年金・相続まで、ご家族が亡くなられたあとに必要な手続きを、期限の早い順に整理しています。
7. 健康保険・国民健康保険の死亡時手続きについてよくあるご質問
最後に、ご相談の場でよくいただくご質問をまとめました。いずれも個別の事情によって結論が変わりますので、最終的にはご自身の状況にあてはめてご確認ください。
Q. 直葬や火葬のみで、一般的な葬儀をしていなくても葬祭費・埋葬料は受け取れますか
火葬のみの「直葬」などでも、埋葬・葬祭を行った事実があれば、葬祭費・埋葬料の対象になることが多いです。ただし、自治体によっては、火葬のみだと葬祭費の対象外となる場合があります。直葬を予定されている場合は、申請先の市区町村に事前に確認しておかれると安心です。あわせて、喪主であることや費用負担を確認できる書類(火葬の領収書など)を求められることがありますので、書類は捨てずに保管しておきましょう。
Q. 喪主と、葬儀費用を実際に支払った人が違う場合、誰が申請しますか
葬祭費は原則として葬祭を行った方(喪主)が申請しますが、費用を負担した方との関係は自治体によって扱いが異なることがあります。健康保険の埋葬料は、亡くなられた方に生計を維持されていたご遺族が対象です。どなたが申請者になるか迷われた場合は、申請前に窓口で確認されると、二度手間を防げます。
Q. 故人が退職後に「任意継続」していた健康保険でも、埋葬料は出ますか
会社を退職後に健康保険を「任意継続」していた方が亡くなられた場合も、健康保険の被保険者として埋葬料(5万円)の対象になるのが一般的です。また、資格喪失(退職)後3か月以内に亡くなられた場合など(健康保険法第105条)には、任意継続でなくても埋葬料が支給されることがあります。加入していた協会けんぽ・健康保険組合にご確認ください。
Q. 埋葬料と葬祭費の両方を、二重に受け取ることはできますか
亡くなられた方が加入していたのはいずれか一つの制度ですので、埋葬料と葬祭費を二重に受け取ることはできません。どちらの対象になるかは、保険証(資格確認書)で確認できます。ご家族が制度の切り替えの時期と重なって迷われる場合は、窓口や専門家にご相談ください。
★ まとめ:どの制度かを確認して、忘れず申請を
健康保険・国民健康保険の死亡時のお手続きは、どの制度に入っていたかさえ分かれば、進め方は決して難しくありません。最後に、流れを整理しておきます。
- どの保険だったかを確認する … 保険証(資格確認書)で、健康保険・国民健康保険・後期高齢者医療制度のいずれかを確認する
- 保険証を返却・切り替える … 健康保険は会社経由、国保・後期高齢者は市区町村へ。扶養だったご家族は14日以内に国保などへ切り替える
- 埋葬料・葬祭費を申請する … 健康保険なら「埋葬料(5万円)」、国保・後期高齢者なら「葬祭費」を、葬祭を行った方が申請する
- 申請期限は2年 … 落ち着かれてからで構いませんが、2年を過ぎないうちに必ず手続きする
すべてを一度に、ご自身だけで進めるのは大変なことです。「どの制度か分からない」「複数の手続きが重なって混乱してしまう」――そんなときは、どうかお一人で抱え込まれないでください。
➡ 関連ページ:ご遺族のための年金手続き|未支給年金・遺族年金の請求サポート
遺族年金や未支給年金の請求を、社会保険労務士がサポートいたします。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。ご家族を亡くされたあとは、悲しみのなかで、保険証の返却や葬祭費の申請、年金の手続きなど、数多くのことに向き合わなければならず、心身ともに大きなご負担を感じていらっしゃることと思います。埋葬料や葬祭費のように、請求しなければ受け取れないものも少なくありません。「これは自分にも当てはまるのだろうか」と少しでも気になられたことがあれば、どうかお一人で抱え込まれないでください。
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